メール整理にかかる時間を1/2に削減。顧客への丁寧な対応が可能に。
朝日新聞社
・教育機関を中心に毎日200件以上の問い合わせに10名という限られた人数で対応
・問い合わせ件数が多く、進捗管理やメール整理に時間がかかっていた
・メール共有/管理に特化したサービス(yaritori)の導入
・一人あたり一日4時間程度の工数削減に成功
・空いた工数で他の業務に時間を充てる余裕ができた
・新メンバーへのトレーニングがスムーズに
朝日新聞社は、1879年の創刊号から今日までの記事をデータベース化。Web上で朝日新聞の記事を検索・閲覧できる、小学校・中学校・高校向けの「朝日けんさくくん」や大学・公共図書館向けの「朝日新聞クロスサーチ」を提供しています。
教育現場で新聞教材を求める声は多く、繁忙期は毎日200件以上の問い合わせがあります。10名弱のチームメンバーで分担して対応していましたが、営業や開発などサービスの拡大に注力するためにも、業務の効率化が急務でした。そこで導入したのが「yaritori」です。「yaritori」を導入した結果、膨大なメールの整理にかかる時間は1/2に減り、別の仕事に使える時間が増えたとのことです。
どのようにして劇的な工数削減を実現したのか。データベースサービス事業はこれから何を目指すのか。メディア事業本部IP事業部データベース営業チームのお2人にお話を伺いました。
【導入目的】 ・繁忙期の一日200件以上の問い合わせ業務を効率化するため 【記事サマリー】 ・「朝日けんさくくん」などの問い合わせ対応に「yaritori」を導入 ・一人あたり一日4時間程度の工数削減に成功 ・「タグ」「ステータス機能」で対応漏れの心配もなくなった ・「検索機能」で知りたい情報がすぐにわかるように ・チーム内コミュニケーション効率化で、サービスの磨きこみに時間がかけられるように 【取材対象者】 メディア事業本部 IP事業部 データベース営業チーム |
「新聞の価値」をもっとたくさんの人に届けたい
ーーまず、お2人の業務内容について教えてください。
「朝日新聞クロスサーチ」「朝日けんさくくん」といったデータベースサービス事業を担当しています。マーケティングや営業、問い合わせ対応、新システム・サービス開発のための開発チームとの打ち合わせまで、多様な業務をチームメンバーで役割分担しながら進めています。
朝日新聞社は、1879年の創刊号から今日までの記事をデータベース化し、さまざまなサービスを提供しています。その先駆けとして25年前に生まれ、名前を変えて進化してきたのが大学・公共図書館向けのオンライン記事データベース「朝日新聞クロスサーチ」です。
さらに、大学・公共図書館向けデータベースから派生して、子どもたちに新聞を届けるため、「朝日けんさくくん」が開発されました。とくに今、この「朝日けんさくくん」の需要は高まっていて、会社としてしっかりと力を入れたいサービスの一つになっています。
ーー改めて、「朝日けんさくくん」について教えてください。
「朝日けんさくくん」はWeb上で朝日新聞の記事を検索・閲覧できるサービスです。小学校・中学校・高校のクラス単位で利用ができ、50名まで同時にアクセスすることが可能です。学習コンテンツも充実していて、小論文対策の「パワーシート」、「天声人語書き写しシート」や「天声人語漢字トレーニング」など、新聞記事を活用したオリジナルの学習教材を提供しています。
現在、多くの学校からご契約やお問い合わせをいただいていますが、その背景には、生徒一人ひとりへの端末配布が進んでいることがあります。もともと教育現場からは、教材として「朝日けんさくくん」を使いたいというニーズを聞いていました。
とくに、自ら問いを立てて、その解決に向けて自分で情報を集める「総合的な学習(探究)」で活用したいという声が多くなっています。教育環境が整ってきたことで一気に問い合わせやトライアル希望が増えている状況です。
NIE(Newspaper in Education=教育に新聞を)という活動は以前からありますし、文部科学省も公立小中高校全てで図書館に新聞を複数紙置くよう都道府県教育委員会に通知しています。教育現場のICT環境が変わってきたことで、これまで教育現場でやりたくてもできなかった授業の形ができるようになったと思っています。
個人的に、紙の新聞をもっと多くの人に手に取って欲しいと思っていて、そのためにデジタルサービスの「朝日けんさくくん」は重要だと捉えています。
今、世の中にはたくさんの情報が溢れていますが、触れる情報のほとんどは「自分の興味関心のある情報」か「好みに合わせてシステムに見せられている情報」です。一方、紙の新聞は、一覧性があるため興味はなかったけどたまたま見つけて、おもしろいと思える情報に出会えます。
自分だけでは知り得なかった、新しい発見が得られる機会は、実はすごく貴重だと思っています。「朝日けんさくくん」を通して、自然に新聞に触れる接点をつくることで、少しでも価値を感じてくれる人を増やせればと思っています。
毎日200件の問い合わせ対応。他のことに使える時間が限られていた
ーー朝日けんさくくんや、朝日新聞クロスサーチなどのデータベースサービスを提供する上で課題だったことを教えてください。
問い合わせ件数が多く、進捗管理や、メールの整理に時間がかかっていたことです。
10名弱のチームで運営をしていますが、繁忙期には毎日200件の問い合わせメールがあります。当時はメーリングリストを活用し、問い合わせをメンバー全員がそれぞれのメールボックスで受信していました。全ての問い合わせを複数人が同時に確認している状態で、一件につき、顧客管理システムへの問い合わせ内容の転載や設定、確認など、少なくても4〜5つの工程が必要なため、「対応します」「チェックをお願いします」「確認しました」とメールで共有をしていました。
一人が1日に確認するメールは1000件を越えていたと思います。完了したのか、途中なのか、各自のメールボックスでそれぞれ進捗管理が必要でした。状況確認や対応済みのメールを消していく作業にかなりの時間がかかっていました。
お客様にていねいに向き合うには、事務作業の効率化が急務となり、見つけたのが「yaritori」だったのです。
ーー「yaritori」導入の経緯を教えてください。
会社全体で業務効率化を推進していて、我々のチームでも帳票システムなどできるところから積極的に改善していました。ただ、社内外のコミュニケーション領域は複雑で、後回しになっていました。
きっかけは、情報共有のための社内勉強会でした。他チームの業務効率化の発表に刺激を受け、せっかくならと腰を据えて取り組むことにしたのです。とにかくメールの数を減らせるサービスはないかと探し回り、複数社のサービスを検討するなかで、yaritoriについて知りました。
yaritoriの最初の印象は「導入が簡単そう」でした。必要な設定や初期費用が他社のサービスと比べると少なく、申し込みも簡単。無料トライアルがあり、まず触ってみることができるのもよかったです。
また、「何ができるのか」が直感的にわかるサービス紹介ページもよかったです。
欲しい機能が明確だったので、これなら自分たちの課題が解決できそうだと思いました。他社のサービスは、私たちには必要以上の機能があってわかりにくく、初期費用が高い、操作画面デザインが古い印象がありました。yaritoriは、サービス画面が軽やかで直感的なデザインになっていて、なんだかワクワクしたのを覚えています。
一人あたり一日4時間の工数削減。対応漏れの心配もなし
ーー実際にyaritoriをどのように活用しているのか教えてください。
問い合わせメールをyaritoriで管理し、チームメンバー全員が一つのメールボックスで作業するように業務フローを変更しました。この時点で、大幅に工数改善できました。
メールごとに担当者を表示できるので誰が対応しているかは一目瞭然、対応が始まると、担当者はステータスを「未対応」から「対応中」に変え、確認までのすべての処理が終わると「対応済み」に変更します。
オリジナルで作れる「タグ」も重宝しています。「登録情報変更」「トライアル申し込み」といった問い合わせ内容での区別や、「返事待ち」「確認依頼」など対応中をさらに細かく管理。タグは色が選べて判別しやすく、気軽に作れるので多用しています。相談はメールごとに使えるチャットを活用しています。
お客さまへの返信については、yaritoriからでも簡単に返せますが、私たちは顧客管理システム「Salesforce」を使っているので記録を残すため、そちらから行います。yaritoriはSalesforceと連携していて、yaritoriの画面からすぐにSalesforceの問い合わせを立てることができるので、画面を切り替え、検索する手間が省けて助かっています。
とくに繁忙期は対応状況を確認するために「検索機能」も活用しています。過去のメールを宛先、受信日時、ステータス、担当者などで検索し、すぐに対応すべきメールを特定しています。
ーーyaritori導入によりどんな効果があったのか教えてください。
繁忙期は大げさでなく、ざっくり一人あたり、一日4時間は削減できたと思っています。もちろん人によって役割が異なるので、メール管理の時間は大小ありますが、チームメンバーの数だけ掛け合わせると結構な時間が捻出できていることになります。おかげで、他の業務にしっかり時間が使えるようになりました。
思いがけずよかった点として、新メンバーへのトレーニングがあります。タグのおかげでレベルに合わせて案件をすぐ選べるようになりました。どのように進めているのかも、パッとわかるようになり、チャットでアドバイスもできる。 とてもやりやすくなりましたね。
朝日けんさくくんを、もっと多くの学校へ届けたい
ーーこれからのyaritoriに期待することがあれば教えてください。
すでになくてはならない存在になっています。引き続き、業務効率化をサポートしていただけるとありがたいです。
今でも、yaritoriさんはレスポンスが早く、臨機応変に対応してくださるので非常に助かっています。「ここが使いづらい」「このシステムと連携できるようにしてほしい」とお伝えすると、できる範囲で応えてくれ、Salesforceとの連携も我々からのオーダーで実装してもらいました。
ーーデータベースサービスの今後の展望を教えてください。
「朝日けんさくくん」は教育現場からたくさん声をかけていただいています。我々としても求められていることが本当にうれしくて、今よりもっとサービスの質を高め、新しいコンテンツや機能を充実させて現場の皆さまの期待に応えていきたいと思っています。
引き続き、新聞が持つ価値を多くの人に感じてもらえるよう、努めていきます。yaritoriをこれからも最大限に活用し、新しいことへの挑戦を続けていければと思っています。