AIやチャットボットなどが普及し、カスタマーサポートの将来性について気になる方は多いのではないでしょうか。
実際にカスタマーサポートの分野においては、今後の技術の進化や顧客ニーズの変化に対応することが重要です。
本記事では、新しい技術によって変化するカスタマーサポートの現状と、今後企業やオペレーターに求められることについて、ご説明します。
「yaritori」は、1ユーザー1,980円から利用できる問い合わせ管理システムです。スムーズなカスタマーサポートを実現するうえで重要なエスカレーションの効率化・問題の追跡、問い合わせデータの分析をすることができます。
サービス概要・導入事例などがわかる資料をお送りしますのでお気軽に資料請求をしてください。
メール共有システムについて詳しく知りたい方は、「【徹底解説】メール共有システムとは?メリットと活用事例を紹介」をご覧ください。
カスタマーサポートの業務内容
企業が提供するサービスや製品を購入した顧客に対して、問題解決やサポートを行います。サービスに関する疑問の解消やトラブルなどに、電話・メール・チャットなどで対応し、顧客満足の向上を目指します。
▼カスタマーサポートの業務内容について詳しく知りたい方は、「カスタマーサポート(CS)とは?業務内容や役割・成功のポイント」もご参照ください。
カスタマーサポートの業務を革新するAI技術とは?
近年では、電話やメールなどの従来の方法に代わって、人力での対応が不要なチャットボットを始めとするAIがカスタマーサポートの現場でも導入されています。
下記は、具体的な技術の一例です。
1.AI(人工知能)
AIを活用した自動応答システムやFAQの自動生成などにより、カスタマーサポートのスピードや品質の向上が可能に。
2.チャットボット
顧客とのテキストチャットによるサポートを提供するチャットボットを活用することで、24時間365日対応が可能に。
3.マルチチャネルサポート
顧客が使用するデバイスやサービスに合わせて、メール、ソーシャルメディア、アプリなどの多様なチャネルを提供することで、顧客のニーズにより柔軟に応えることができるように。
4.ビッグデータ分析
膨大な量の顧客データを分析することで、顧客の行動や要求などに基づいて、カスタマーサポートを改善することができるように。
5.モビリティ
スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスを活用することで、顧客がいつでもどこでもサポートを受けることができるように。
これらのテクノロジーを活用することで、従来のカスタマーサポートの限界や課題を克服することができ、より高品質なカスタマーサポートを提供することができるようになっています。
カスタマーサポートの業務効率化について詳しく知りたい方は、「カスタマーサポートを効率化するには? | オススメの方法とツールをご紹介」もご参照ください。
カスタマーサポートの将来性が不安視される4つの理由
先述の通り、技術革新によりカスタマーサポートの業務における利便性は確実に向上しましたが、かえって職種としての将来性を疑問視する声が多く聞かれるようになりました。その理由は主に以下の4つになります。
1.スピード
人力の電話やメールによるカスタマーサポートは、対応可能な時間帯が営業時間内に限られるという制約がありました。さらに、担当者によっては顧客からのサポート要求に対する対応スピードが遅いという限界がありました。
チャットボットを導入することで365日24時間、問い合わせを受け付けられる上に自動応答ができるようになったことで、「わざわざ人が対応する必要はないのでは?」という見方があるようです。
2.品質
カスタマーサポートは企業の代表の顔として顧客と接する窓口である以上、本来であれば誰がどの顧客に対応しても同じ対応・回答ができるような状態が望ましいです。
しかし、実際は属人的になりがちです。担当者のスキルや知識に差があり、顧客の要望に対し適切な対応ができずにクレームに繋がったり顧客満足度の低下を招くようなケースも散見されます。
チャットボットであれば事前によくある問い合わせ内容とそれに対する応答を設定すれば再現性のある対応が可能になるため、「品質の部分でもAIに劣るのでは?」という考えも見受けられます。
3.コスト
カスタマーサポートの業務では人件費やインフラ費がかかり、また大規模なコールセンターなどを運用することが必要であり、高コストになってしまうことが課題となっていました。
チャットボットでは導入時の初期費用や維持費こそかかるものの、採用費や人件費と比較すると費用対効果が高いと判断する担当者も少なくありません。特に同じような問い合わせばかり寄せられる企業の場合、チャットボットを導入するだけで業務量がかなり削減される可能性が高く、「オペレーターを雇う必要はないのでは?」という考えもより顕著になるでしょう。
4.グローバル性
オペレーターの対応可能な地域や言語に限りがあり、グローバルな顧客に対応することが困難であるという弱点がありました。しかも、多言語で対応できる人材の採用難易度は高いため、予算に限りがあるような企業ではなかなか容易に解決できない課題の一つです。
一方、多言語に対応したチャットボットであれば言語の壁がないため、スムーズな対応を実現するでしょう。すると、コスト面と運用面からチャットボットありきでチーム体制を再考するケースもあるかもしれません。
「人間による」カスタマーサポートに将来性はあるか?
結論から述べると、AIの台頭は確かに急速で革命的ですが、人間によるカスタマーサポートはこれからも必要です。
AIは自動化されたタスクや問題の解決を得意とするため、業務効率を改善するために活用するのがベストです。そして、カスタマーサポートの本質である「顧客満足度を向上させる」ための対応は人間が担う、という棲み分けが求められるでしょう。
特に、複雑な問題や個別のニーズに対応する時は人間の臨機応変な対応力と思考力が必須です。AI導入によってオペレーターの業務負荷が軽減されれば、より顧客一人一人の感情の部分にも寄り添った対応をする余裕が生まれるため、サポートの質が向上すると考えられます。
つまり、「AIだけ」「人だけ」ではなく、「技術と共存する」ことが次世代のカスタマーサポートで求められるでしょう。
AIも万能ではない。5つのデメリット・弱点
さらに、人間によるカスタマーサポートが必要な理由として「そもそもAIは全知全能の技術ではない」ということも忘れてはいけません。AIやチャットボットなどを活用したカスタマーサポートは、対応スピードや人件費削減などのメリットをもたらす一方で、以下のようなデメリットや弱点も存在します。
1.誤解
人間には理解可能な顧客の質問を、チャットボットなどは正確に理解することができない場合があります。
2.技術的な制限
AIも万能ではないため、特定の複雑な問題への対応には限界があります。
3.非人間的な対応
AIやチャットボットによる顧客とのコミュニケーションは、人間の感情やリアリティ、誠実さ、親切さが欠落します。
4.トラブルシューティングの複雑化
それまでオペレーターが人力で行っていた対応を自動化しようとすると、問題の解決に必要な手順がかえって複雑化してしまうケースがあります。
5.データプライバシー
顧客の個人情報を厳密に管理することが必要であり、それに関連するリスクも存在します。
上記のようなAI特有の問題を踏まえ、適切な活用場面をしっかりと検討してから導入することが求められています。
将来のビジネスにおけるカスタマーサポートの役割
AIの台頭以前より、ビジネスにおいてカスタマーサポートには次のような役割がありました。
- 顧客との長期的で安定した関係を築く
- 顧客からの評判を向上させ、ブランドイメージを高める
- 顧客の要求に対し効果的に問題解決する
- 顧客からの評判を向上させ、新規顧客獲得を促進する
- 顧客とのやりとりを通じて顧客インサイトを収集する
カスタマーサポートの持つこれらの要素が、ビジネスの成功に欠かせないモノであることは、AIが普及した現代でも変わることはありません。
むしろ、AIの活用により、より多くの顧客に対しより効率的な対応が可能になるため、これらのカスタマーサポートの役割は、今後ますます大きなものになると予想されます。
カスタマーサポートを用いて効率化することについて詳しく知りたい方は「カスタマーサポートを効率化するには? | オススメの方法とツールをご紹介!」をご覧ください。
カスタマーサポートの分野でAIと共存して顧客満足度を高める方法
AIの普及により、カスタマーサポートにおいて、顧客は複数チャネルでの対応、24時間365日の素早い対応などは当然のサービスだと捉えるようになるため、企業はその「当然」に応えることが必須になります。
また、現在のAIを活用したカスタマーサポートが抱える、「対応が温かみに欠けて機械的なものになる」「複雑な問題への対応が難しい」などの課題にどう対処するかも重要視されます。
さらには、モノの大量消費やオンライン接客が一般的になった現代では、商品やサービスを通じた顧客体験がより重視されています。
そのため、これからのカスタマーサポートのシーンにおいては、
- 顧客それぞれに合った対応
- 迅速な対応
- 困り事や要求に対する解決率の向上
- 親切な対応
- 商品やサービスに関する情報の透明性
といった要素を高めることで、顧客の信頼と満足度が向上し、より良い顧客体験の提供が可能となるでしょう。つまり、これらの要素に対し、AIやチャットボットなどのテクノロジーをどのように活用するかが、今後のカスタマーサポートにおける鍵となります。
将来のカスタマーサポートにおいて求められる人材像
カスタマーサポートの分野においてAIと人間の共存を測る場合、オペレーターには単なるサポートではなく、より良い顧客体験を提供できることが求められます。具体的には、以下のことが求められるようになります。
1.専門的な知識やスキル
今後は、AIでは回答できないより複雑で高度な問い合わせへの対応が従業員には求められます。そのためには、専門性の高い知識を有していることが重要です。
2.コミュニケーション能力
顧客は、人間によるカスタマーサポートに対して、AIでは実現不可能なより人間的な親切さや理解力を求めるようになります。従業員には、これらの人間性を備えたコミュニケーションが可能であることが求められます。
3.テクノロジーの理解力
顧客の要求に効果的に応じるためには、最新のテクノロジーの活用が必須になります。
4.柔軟な思考力
AIで解決不可能な問題に対処するときには、常識的なアプローチでは効果がないでしょう。このような場合には、人間特有の創造的な解決策を見つけることが大切です。
これらの力を備え、顧客に「より良い顧客体験」を提供できる人材が、カスタマーサポートにおいて求められるでしょう。
まとめ|AIを活用してカスタマーサポートを向上させよう
AIなどのテクノロジーによるカスタマーサポートは、特定のタスクや情報提供に関しては自動化が可能ですが、顧客との人間的なコミュニケーションや、複雑な問題解決が必要となる場面では、人間が果たす役割が大切です。
また、企業や従業員には、
- カスタマーサポートにおいて、顧客満足度の向上と顧客ロイヤリティの増加に向けた取り組み
- AIなどのテクノロジーを活用して、効率的かつ質の高い顧客サポートを実現すること
- 顧客サポートにおいて人間とテクノロジーのバランスをとって、顧客体験の最適化を図ること
が求められます。