ビジネスにおいて、常に相手の要求に応え続けるのは現実的ではありません。時には、相手の要望をやむなく断らなければならないシーンもあるでしょう。
しかし、相手の要望を断ることによって、その後の相手との関係を悪くすることは避けたいものです。また、断り方1つにも、ビジネスパーソンとしての資質が現れます。
ここでは、お断りメールを如何に印象良く書くか、そのコツと注意点ご説明します。
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お断りメールを重要視しなければならない理由
お断りメールの書き方は、重要視しなければなりません。お断りメールを雑に書いてしまうと、相手との関係やビジネスチャンスに悪影響を与えかねません。
お断りメールを重要視するべき具体的な理由をご説明します。
ビジネスチャンスを逸することに繋がるから
お断りすること自体は仕方のないことです。とはいえ、ただ断るだけのメールの場合、仕事の幅を狭め、ビジネスチャンスを逸してしまう可能性があります。
しかし、お断りメールを適切に書くことができれば、逆に次のビジネスチャンスを掴むきっかけになるかもしれません。
ただお断りするだけでなく、代替案の提案や今後の仕事につなげるための配慮など、次のビジネスチャンスを掴むため布石を打っておけば、たとえ今回が仕事に直結しなくても、次回以降の声がけにつながりやすくなります。
ビジネスチャンスを掴むためにも、お断りをした後のことを想定ができていて、かつ印象の良いお断りメールを送るようにしましょう。
相手との信頼関係を築くため
お断りメールの文調が、冷淡であったりトゲのあるような印象の場合、受けとった相手は、今後の関係を続けたいと思わないかもしれません。
「こちらの要望に応えられない場合でも、丁寧に断ってくれる」という印象を相手に与えることができれば、相手との信頼関係を築くことができます。そして信頼関係が深まれば、その分今後のビジネスチャンスにも繋がるでしょう。
相手との関係を良好なままにするため
ビジネスの場では、お断りをする機会は少なくありません。
もしそこで印象の悪い断り方をしてしまうと、相手との関係が悪化し、その後のビジネスに悪影響を及ぼす恐れがあります。
取引先や上司など、相手との関係を良好に保つために、適切なお断りメールの心得ておきましょう。
細かいニュアンスによる誤解を防ぐため
ビジネスメールはそもそも文字でコミュニケーションするため、表情や声の明るさなどがわかる対話と違い、冷たい印象を与えてしまいがちです。
それに加え、お断りメールを書くというのは、「相手の要望を断る」わけですから、普段以上に相手に与える印象に気を遣う必要があります。
文章は細かいニュアンスで誤解を招いてしまうため、印象を良くするために「クッション言葉」などを適宜利用し、相手に配慮した温かみのあるメールを作成しましょう。
▼関連記事「カスタマーサポートですぐに使える!メール例文を状況別に紹介」もご参照ください。
お断りメールを送る際のポイント
ビジネスでお断りメールを作成する際は、結論をはっきりさせるニュアンスに注意するなどのポイントがあります。
お断りメールを送る際のポイントを見ていきましょう。
結論をはっきりさせる
断るというのは気後れしてしまいがちですが、メールを受けとった相手が「断りメールである」とはっきり認識できることが重要です。
曖昧な表現や中途半端な内容になってしまうと、断る意思が伝わらず、こちらにそのつもりがなくても期待や混乱を与えてしまうことになりかねません。
「検討いたします」「状況次第では〜」などの曖昧な表現は避け、はっきりと「お断りさせて頂きます」と断る意思を文章にしましょう。はっきりと断る方が「誤魔化している」という印象を与えることもなく、誠実さが伝わり、相手との良好な関係を築く上でも効果的であるといえます。
言い方・ニュアンスに注意する
「断る」という結論をはっきりとさせることは重要ですが、言い方やニュアンスには十分に注意する必要があります。
お断りメールを書く際は、メールを読む相手が不快な思いをしないよう、「クッション言葉」を適宜利用するなどの配慮が、印象を良くする上で効果的です。
たとえば、お断りの文を入れる前に「あいにくですが」「ご期待に沿えず申し訳ございませんが」「お役に立てず残念ですが」といった言葉を添えると、相手の心象を損ねずに断ることができるでしょう。
相手に感謝する・気遣いをする
相手との関係を良好に保ちたければ、感謝や気遣いの言葉を忘れてはいけません。
たとえば、「大変ありがたいのですが」「今後のご活躍をお祈り申しあげます」といった言葉を少し添えるだけで、相手に与える印象は大きく変わります。
相手との良好な関係を保ちながら断るために、相手への感謝や気遣いの気持ちを言葉にして表現しましょう。
次につながるようなメッセージにする
お断りメールを、次のビジネスチャンスにつなげられるようにすることも重要です。
たとえば、こちらが代替案を提示できるときは、
「あいにく●●は在庫を切らしておりますが、代替品として□□をご用意することが可能です」
のように、具体的に提示すると、チャンスを逃さずに済むかもしれません。
また、代替案を提示できない場合でも、
「またの機会がございましたら、お力添えできるよう尽力いたします」
といった言葉を添えることで、次回以降の声がけを貰いやすくなるかもしれません。
ただし、上記のフレーズを加えるのは、あくまでもこちらに相手との関係を保つ意思がある場合や、次の機会がある場合に限ります。
もしそうでない場合は、誤解を生まないよう、このような表現は避けましょう。
一斉送信では送らない
大勢の相手にお断りメールを送る場合でも、一斉送信は控えましょう。CCでの送信は送信相手にすべてのメールアドレスが共有されてしまいます。また、BCCでの送信も、誤送信によって個人情報漏洩のリスクがあります。
個人情報漏洩は社会からの信用を失うだけでなく、罰則を求められる場合があります。多数の相手にお断りメールを送る場合は、丁寧に一通ずつ送るか、メール配信システムなどのリスク回避が可能なツールを活用するようにしましょう。
お断りメールで良く使われるフレーズと例文を紹介!
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お断りメールでよく使われるフレーズ
お断りメールでよく使われる基本フレーズをご紹介します。
「辞退させて頂きます」
「辞退させて頂きます」は、「断る」という意志を伝えたい際の、丁寧な表現です。相手からの申し出を断る場合に加え、こちらから提案した申し出を断る時にもこのフレーズを使えます。
「今回は見送らせて頂きます」
「今回は見送らせて頂きます」という言い回しでも、「断る」という意志を柔らかく伝えることができます。
特に冒頭の「今回は」というフレーズは、相手に次回以降の取引を予感させるため、非常に便利な言い回しです。
なお、すでに実行中の案件を途中で断る場合は、「見送る」は使えないので、代わりに「見あわせて頂きます」を使用します。
また、目上の人からの個人的な誘いを断る場合には、「遠慮させて頂きます」という表現がより適切です。
「お力になれず申し訳ございません」
「お力になれず申し訳ございません」は、相手の要望や依頼に応えられないときに用いるフレーズです。
「役に立てないことに対し申し訳なく思っている」ことが伝わるため、希望された製品の製造が終了していた場合や、自社では対応できない依頼が来た場合などに特に有効です。
「ご期待に沿えず大変申し訳ございません」
「ご期待に沿えず大変申し訳ございません」は、断る意思を伝えた後で付け加えるフレーズです。「ご希望に沿えず」などと書くケースもあります。相手の申し出を断ることを謝罪する文面なので、誠意を表すことができます。
カスタマーサポートの場面では、サポートの範囲を超えたお客様の要望についてお断りしたい時に使えるなど、こちらも非常に使い勝手のいいフレーズになります。
お断りメールの例文をご紹介!
お断りメールの例文を、いくつかのシーンに合わせてご紹介します。
<相手からの製品などの購入要望を断りたい場合>
件名: |
ご要望の弊社製品「●●」について 【本文】 株式会社○○ ××部 ▲▲様 平素より大変お世話になっております。 ◉◉株式会社の△△です。 この度は、弊社の製品「●●」についてのお問い合わせをいただき、 誠にありがとうございます。 しかしながら、「●●」はすでに廃版となっているため、 ご用意することができません。 差し支えなければ、代替品として弊社新商品の「□□」をご検討いただければと思い、 資料を添付しております。 ご不明点がございましたら、お気軽にお申し付けください。 この度はご要望に沿えず、大変申し訳ございません。 今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 署名 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー |
こちらは、相手の要望する製品やサービスを売ることができないケースの例文です。
もし代替案が用意できるのであれば、積極的に提示しましょう。相手には「生産性のあるやりとりができる」という印象を与えることができ、ビジネスチャンスが生まれるかもしれません。
<相手に見積もりを頼んだものの、購入を見送る場合>
件名: |
●●のお見積もりについて 【本文】 株式会社○○ ××部 ▲▲様 平素より大変お世話になっております。 ◉◉株式会社の△△です。 先日は●●のお見積書を作成いただき、ありがとうございました。 いただいた金額や製品情報をもとに、社内で慎重な検討を重ねました結果、今回は購入を見送らせていただくこととなりました。 お手数をおかけしたにも関わらず、大変申し訳ございません。 今回は見送らせていただくことになりましたが、 ○○社様の製品は社内で大変評判が良く、機会がありましたら今後是非ともお取引いただければと存じております。 今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 署名 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー |
こちらは、取引相手に作成してもらった見積書を検討した結果、購入しないことを伝える文例です。
「慎重に検討した」「相手の製品は好評である」といった内容の文面が、気遣いや次回以降のチャンスを掴むために有効な文章となっています。
<求人への応募を断る場合>
件名: |
採用結果のお知らせ 【本文】 ▲▲様 お世話になっております。 ◉◉株式会社人事担当の△△です。 先日は、弊社の採用選考にご応募いただき、誠にありがとうございました。 厳正な審査の結果、今回は残念ながら採用を見送らせていただくこととなりました。 ご希望に沿えない結果となり、申し訳ございません。 何卒、ご了承いただきますようお願い申し上げます。 ▲▲様のより一層のご活躍とご健勝をお祈りしております。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 署名 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー |
こちらは、求人への応募の非採用を通知するケースです。
採用応募への感謝や、非採用の結果をお詫びする文章を入れることがポイントになっています。
お断りメールを送り忘れてしまったら
ここまで、お断りメールを印象良く書くためのコツや注意点について、ご紹介してきました。
しかし、日々のメール対応数が多いと、既に他の社員がお断りメールを入れたにも関わらず、別の社員が同じ案件に対して誤ってお断りメールを送ってしまうという「二重対応」の恐れがあります。あるいは、優先度が低いとお断りメールを送り忘れるなど、「対応漏れ」も発生してしまうこともあるでしょう。
このような事態が発生した場合は、気がついた段階で即座に謝罪のメールを入れましょう。また、再発を防ぐための対応も必要です。
しかし、「二重対応」や「対応漏れ」などは、メール受信量が多いと、注意するだけで完全に防ぐことは現実的ではないので、工夫が必要になります。具体的には、
- 始業前の30分など、1日のうちにメールをチェックする時間を毎日用意する
- メールの色分けやタグによる振り分け
- yaritoriなどのメール対応効率化ツールを導入する
などの工夫が考えられます。
特にメール対応の効率化ツールを導入することは、見落としを防ぐ以外にもさまざまなメリットがあります。
以下では、メール対応の効率化ツールの代表例として、yaritoriによって可能になる、
- メールの見落とし・重複対応を防ぐ
- メール対応品質の向上・統一化ができる
- チャット機能で担当者に気軽に相談できる
という3つのメリットについて詳しくご説明します。
1.メールの見落とし・重複対応を防ぐ
出典:yaritori
yaritoriを使うことで、さまざまなメールアドレスに届くメールの対応状況を可視化することができます。それぞれのメールがどういった対応状況(未対応・対応済みなど)にあるかに加え、誰がメールを担当しているかといったステータスまで表示されます。
これにより「対応漏れ」や、既に対応済みのメールに返信してしまう「重複対応」を防止することができ、複数人でのメール対応を効率化することができるのです。
2.メール対応品質の向上・統一化ができる
出典:yaritori
さらに、カテゴリーごとに複数のテンプレートを保存でき、お客さま名を自動で挿入する予約語機能などが備わっている豊富なテンプレート機能を活用可能です。
これにより、よくある質問に対する素早い返信や、担当者によって対応のクオリティが異なるという「対応の属人化」の防止を実現できます。メール対応の品質が向上することで、顧客・取引先からの印象も良くなり、企業のイメージアップにつながりやすくなるでしょう。
3.チャット機能で担当者に気軽に相談できる
出典:yaritori
もしも自分に答えられないお問い合わせが来た場合は、上司や同僚に確認をとる必要がありますよね。その際、近くに上司や同僚がいればすぐに相談できますが、そうでない場合はその都度メールやチャットで連絡を取る必要があるため、業務効率が低下してしまいます。
しかし、メール共有システムならこの問題を解決することが可能です。メールごとに設定されているチャット機能を使えば上司や同僚に気軽に対応方針の相談ができるため、スムーズに業務を進められます。テレワーク・リモートワークにも最適です。
まとめ | お断りメールをしっかり作って、良好な関係を保とう
いかがでしたでしょうか。
お断りメールを作成する際には、相手に与える印象を良くし、そして次のビジネスチャンスに繋がるよう書くことが重要です。
はっきりと断ることで誤解の発生を避けつつ、言い方やニュアンスなどの細部に注意を払うことで、良い印象を与えることができます。
本記事でご紹介したフレーズや例文を参考にしつつ、誠意の伝わるお断りメールを書くことで、相手との良好な関係を保つことができるでしょう。