Zoho Oneとは、顧客管理ツールZoho CRMをはじめとする45種類以上のアプリケーションを提供するクラウド型の業務管理システムです。1つのアカウントで全てのアプリケーションを利用でき、各企業に適した様々な利用スタイルの提供が可能です。
この記事では、Zoho Oneの使い方・料金・メリットやデメリットなどを詳しくご紹介していきます。
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Zoho Oneを提供しているZohoには45以上の様々なアプリケーションとサービスがあります。その一つひとつを単体で契約することもできますが、用途ごとにアプリケーションをまとめた「パッケージ」という単位で契約することができます。パッケージは7つあり、その中でもZoho One はクラウド型の業務管理システムとして、45のZohoアプリケーションとサービス全てを低コストかつ定額で利用できる最もプレミアムなパッケージです。ZohoはZoho Oneの他にも共同作業に向いたアプリケーションのみを集めた「Workplace」など、用途に合わせたパッケージを用意しています。
Zoho Oneでは営業、マーケティング、サポート、会計、人事管理、業務の効率化などといった多岐にわたるアプリケーションを1つのアカウントで利用できます。最も有名なZoho CRMもZoho Oneサービスのうちの1つです。
これらのアプリケーション同士の連携も可能なので、使い方次第では組織全体の業務をZoho One1つで管理・自動化することもできます。全てのアプリにWebブラウザ・モバイルバージョンの両方からアクセスでき、またコミュニケーションツールも充実しているため、働く時間や場所にとらわれず柔軟な働き方を実現することができます。
国内ではまだ認知度の低いZohoですが、導入している企業は世界で5万社以上であり、今後国内でも導入企業が増えていくことが期待されるサービスです。
運営会社
社名 | ゾーホージャパン株式会社 (英文名: ZOHO Japan Corporation)※ 旧アドベントネット株式会社 |
代表取締役 | Manikandan Thangaraj |
設立 | 2001年9月6日 |
資本金 | 4億円 (シンガポールZoho Corporation Pte. Ltd 100%) |
従業員数 | 106名 |
Zohoは米国シリコンバレー近郊のPleasantonに本社を置く、海外のビジネスソフトウェア開発会社です。2001年12月に日本語版をリリースしており、当初はアドベントネット株式会社という名前でしたが、2009年7月に社名を現在のゾーホージャパン株式会社に変更しています。
Zoho Oneの使い方と主な機能
Zoho Oneには以下の表のように45種類のアプリケーションが存在します。
45の機能一覧
営業 | CRM「CRM」パイプライン管理「Bigin」予約のスケジューリング「Bookings」 |
マーケティング | マーケティング自動化「Marketing Automation」メルマガ配信「Campaigns」SNS管理「Social」アンケート「Survey」フォーム作成「Forms」Webサイトビルダー「Sites」Webサイトの最適化「PageSense」Web訪問者追跡/Webチャット「SenseIQ」イベント管理「Backstage」eコマースプラットフォーム「Commerce」 |
サポート | ヘルプデスクツール「Desk」リモートサポート/アクセス「Assist」ARリモートサポート「Lens」 |
コミュニケーション | メール「Mail」ビジネスチャット「Cluq」 |
コラボレーション | プロジェクト管理「Projects」アジャイルプロジェクト管理「Sprints」社内ソーシャルネットワーク「Connect」研修&トレーニング「Learn」チーム全体の統合受信トレイ「TeamInBox」Web会議/Webinarツール「Meeting」ファイル管理「WorkDrive」 |
生産性 | 文書作成「Writer」スプレッドシート「Sheet」スライドショー作成「Show」デジタル署名「Sign」メモツール「Notebook」パスワード管理「Vault」 |
財務 | 会計「Books」請求書管理「Invoice」経費管理「Expense」支払いフォーム「Checkout」 |
運用 | サブスクリプション管理「Subscriptions」在庫管理「Inventory」 |
人事 | 労務管理ツール「People」採用管理ツール「Recruit」 |
ビジネスプロセス | カスタムアプリケーション「Creator」BI/分析ツール「Analytics」連携ビルダー「Flow」データクレンジング「Detaprep」 |
法務 | 契約管理「Contracts」 |
パッケージ一覧
Zoho Oneはこれら全てのサービスを利用できるパッケージですが、それぞれ必要に応じたサービスを単体で契約することもできます。また特定の分野だけを強化したい場合は下記のような分野別パッケージ製品もあります。
Zoho One | 45種類以上のZohoサービスを全て利用できる最上位パッケージです。月額4,440円/ユーザーと比較的利用しやすい価格が特徴です。 |
CRM Plus | 顧客管理・営業・マーケティングに必要なサービスが揃ったパッケージです。 |
Finance Plus | 財務、会計などが揃ったパッケージです。 |
Workplace | チームメンバーとのコミュニケーションやドキュメント作成に特化したパッケージです。 |
Pleple Plus | 採用・勤怠など人事労務に関するサービスが揃ったパッケージです。 |
Remotely | リモートワークに特化したパッケージ。チームメンバー間のコミュニケーション、生産性の向上を支援します。 |
IT Management | クラウドでIT化を促進するパッケージです。 |
Marketing Plus | 企業のマーケティングに関わるサービスが揃ったパッケージです。 |
人気のおすすめツール紹介
ここでは、Zohoの数あるアプリケーションの中でも人気のおすすめツールをいくつかピックアップしてご紹介していきます
1.Zoho CRM
Zoho Oneのサービスの中で最も有名なのが Zoho CRMです。
Zoho CRM は、顧客情報を関連情報に紐付けて一元管理できるシステム(CRM)と、さらにそれらを元に顧客フォローやマーケティング施策といった営業活動を支援するツール(SFA)が一体化したサービスです。自動で顧客情報を整理するので管理コストを削減できます。また普通に行うと比較的時間のかかる分析機能やレポート作成の機能もあるので、業務効率化ができ生産性も上がります。
ここでは、Zoho CRMの主要な機能をご紹介します。
顧客データを関連情報に紐付けて管理
Zoho CRMだと、管理している顧客情報は単純な並べ替えだけでなく、複雑な検索条件を使ったリスト化が可能です。例えば「名刺交換して3ヶ月以内の○○市内の担当者一覧」などのリスト化が簡単に作成できます。
営業支援
業務を自動化するワークフロー機能や担当者の割り当て機能など、営業活動を支援する機能が豊富に備わっています。
マーケティングオートメーション
メールアプローチへの反応やWebサイトのアクセス履歴など顧客の行動データをCRMに集約し、こうしたデータを基に適切な見込み客を育てるアプローチを実施します。また、活動の結果を自動で集計し、状況を可視化します。
分析レポート
CRMに蓄積されたデータをリアルタイムに集計し、レポートやダッシュボードを自動で作成します。これにより現状を正しくかつスピーディに把握することができるため、売上目標などの達成に役立ちます。
2.Zoho Desk
Zoho Deskとは、問い合わせを可視化・効率化するカスタマーサポートツールです。
オムニチャネル
メール共有や電話受付、オンラインチャット、Twitterや Facebookなどのソーシャルメディア、自社Webサイトなど、複数のチャネルを経由した問い合わせをすべて一元管理します
顧客満足度調査
満足度調査アンケートをメールに自動挿入することで顧客満足度を収集する仕組みを自動化し、各担当者の応対品質を可視化します。さらに収集した調査結果は自動的にレポート化されるので、面倒な集計作業も一切不要になります。
ナレッジベース
ヘルプデスクツールとナレッジベースが一体化されており、FAQ(よくある問い合わせとその回答)や、問題解決のナレッジをワンクリックで作成・参照できます。これにより自己解決率をアップ・対応工数を削減できます。
また、問い合わせの受信・送信など活動状況をレポートやグラフにする可視化機能や、業務タスク割り当てや対応済・未対応などのステータス更新などを自動化するオートメーション機能も充実しています。
▼ヘルプデスクツールの主要機能や導入事例など、さらに詳しく知りたい方は
「【徹底解説】ヘルプデスクツールとは?メリットや選び方を紹介します」を参考にしてください。
Zoho Oneの特徴
Zohoのサービスの特徴は大きく分けて「利用しやすい価格」「カバーできる業務範囲が広い」「カスタマイズ性が高い」の3つがあります。
利用しやすい価格
Zoho Oneに含まれるサービスは、他の類似サービスよりも低価格で利用できるものが多く存在します。例えばZohoの中で最もよく知られている Zoho CRM は、1アカウントあたり月額1,680円〜で利用できます。こちらは、類似サービスと比べるとおよそ1/3から1/5くらいの料金設定となっています。
カバーできる業務範囲が広い
Zoho Oneの特徴はなんといっても圧倒的な機能の充実さでしょう。先にも紹介したように、Zohoの開発するビジネスアプリケーションには、文書作成や表計算などビジネスで一般的に使われるものから顧客管理や営業支援まで多くの業務分野に対応したものが45以上あります。そのため、企業が業務で求める機能のほとんどをZoho一つでまかなうことも可能です。
カスタマイズ性が高い
Zoho にある多くのサービスは、自社のやりたいことに合わせてカスタマイズすることが可能です。
45のそれぞれのサービスは単体購入することができるので、自社にとって必要なアプリケーションだけを選んで購入することができ無駄なコストを省けます。サービスは後から追加することもできるので、慣れてきたら徐々に追加していくことも可能です。このように比較的柔軟な使い方ができるのがZohoの特徴であり魅力の一つです。
Zoho Oneの利用料金
Zoho Oneの利用料金について説明していきます。
45種類以上のZohoサービスを全て利用できる最上位パッケージです。
1.特定のユーザー向け料金
「特定のユーザー向け」というのはつまり全従業員分のユーザーライセンスを購入するのではなく、必要な数だけ購入する場合を指します。ユーザー1人当たり月間契約で月額12,600円、年間契約の場合は月額10,800円です。
2.全従業員向け料金
こちらは全従業員分のライセンスを購入することが条件となっています。従業員1人当たり月間契約で月額5,400円、年間契約の場合は月額4,440円で提供しています。
Zoho Oneは30日間無料でお試し頂くことができます。Zoho One のお試し登録にお支払い情報(クレジットカード情報)は必要なく、さらにはクラウド型のサービスのためダウンロードやインストール作業を行うことなく、機能をお試し利用することが可能です。
必ずしも「Zoho One」などのパッケージで購入する必要はなく、それぞれ必要に応じたサービスを単体で契約することができます。中には永年無料のプランを展開しているサービスもあります。例えば最も使われているZoho CRMの場合は、最安のスタンダードプランで1人当たり月額1,680円〜、エンタープライズ価格では月額4,800円で利用できます。
導入方法・導入までの流れ
- Zoho Oneを理解する
よりよく理解するための公式の紹介動画(約9分)があります。
30日間の無料トライアルが用意されているので、ツールの操作性はもちろんのこと、業務システム一本化について実際のイメージがしやすくなります。
パッケージでなくZoho CRMなど単体の場合も、15日間前後での無料トライアルから始めることができます。
- プランを選定する。
Zoho Oneには前述のように柔軟型ユーザー向けプランと全従業員向
けプランがあります。自社の用途に適したプランを選びましょう。
料金プランやその他のZoho 製品を含めたサービス選定でお困りの際は、無料のZoho コンシェルジュサービスを利用し、選定の相談及びサポートを受けることができます。
- ライセンスを購入する
無料お試し後に購入する場合は、管理パネルからアップグレードすることで本登録することができます。ライセンス規約に同意、お支払い情報の入力を行います。年間契約の価格は、月間契約の場合と比べて割安となります。
メリット・デメリット
メリット
1.機能が豊富なので様々な活用が可能
例えば以下のような活用方法があります
a.見込み客を売上につなげられる
各チャネルから見込み客の獲得と情報収集を1か所で行うため見込み客を素早く特定できます。見積書や請求書作成などの営業プロセスは自動化でき、商談成立まで迅速に行うことができます。さらには契約や同意書へのデジタル署名、オンライン支払いにも対応しています。このようにマーケティング、営業、請求のプロセスを連携させることができるので、売り上げの増加に繋げ、実際に支払いを受け取るまでの期間を短縮できます。
b.顧客ロイヤルティを築く
顧客データの一元化と区分化により営業がスムーズになります。また対象を絞ったキャンペーンの実施やアンケートの作成及び送付などのマーケティング機能により顧客の全体像を把握できます。さらにそれらと連携した実際の購入状況データを確認できるので、顧客満足度を管理し高めることができます。
2.モバイルアプリに対応
アプリを活用することで外出先でも商談のチェックや顧客とのやり取りができるため、円滑な営業活動に貢献します。
3.グローバル展開への対応
現地時間や通貨への対応、現地の法制度への適合、地域ごとのアクセスコントロールなど、グローバル展開する際の要求を満たしています
デメリット
1.海外発のシステムなので、日本語対応に難あり
もともと海外で開発されたソフトウェアなので、姓名が逆になったり、敬称が先になってしまうなどの細かい部分や、日本語への翻訳レベルが不十分であるなど、ローカライズにはやや難があります。
2.サポートが不十分
国内での活用例や日本語マニュアル、ネットの情報などはどうしても少なくないため、注意が必要です。
3.モバイル版でできることが少ない
データの閲覧はできても更新ができないなど、モバイル版では機能が制限されています。
4.機能が多すぎる
Zoho One1つで会社の業務を全てまとめることができるのは魅力であると同時に、問い合わせ管理ツールやヘルプデスクツールとして利用したい企業にとっては機能が多すぎる場合もあるでしょう。Zoho Oneで統一したものの、かえって煩雑になってしまった、なんてことになってしまっては元も子もありません。
まとめ | 中小企業やシステムを1つにまとめたい企業におすすめ
この記事では、Zoho Oneとは何か、主要な機能やメリット・デメリットを詳しくご紹介してきました。
比較的低コストで月ごとの契約が可能ですが、大容量ストレージを完備したサービスには劣るため、大企業より中小企業におすすめと言えるでしょう。また、最大の魅力は豊富な機能を1つのアカウントで利用できることなので、会社のシステムを1つにまとめたい企業にとってもおすすめでしょう。
▼他の業務管理ツールについても知りたい方は「業務管理ツールとは?メリットや選び方、おすすめツールを紹介」をご覧ください