Web接客ツールとは、Webサイトを訪れたユーザーに対して、店舗で行うような接客を可能にするツールです。ユーザーごとに最適なポップアップ表示などができるので、新規顧客の獲得や会員登録など、サイトのCVを最大化することが可能です。
この記事では、おすすめのWeb接客ツールを比較紹介します。Web接客ツールの機能や選び方も紹介するので、自社に適したサービスをお選びいただけます!
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Web接客ツールとは
Web接客ツールとは、Webサイトを訪れたユーザーに対して、店舗で行うような接客を可能にするツールです。サイト訪問者がどのページをみているかなどをリアルタイムに解析し、ユーザーごとに最適なポップアップ通知やチャットを行うことができます。
キャンペーンの告知や、関連商品のレコメンド、カゴ落ち・カート落ち防止などで活用できるので、サイトのCV改善に貢献できます。
ECサイトを持つアパレル・美容健康・ライフスタイル業界や、お問い合わせ型のサイトを持つ銀行・保険などの金融会社、その他、教育、人材、不動産会社などさまざまな業界で導入されています。
Web接客ツールの必要性・メリット
Webサイトに訪れるユーザーは、既に自社サービスを認知しており、購買意向も高いユーザーです。一方で、ほとんどのユーザーは資料請求や問い合わせなどのアクションをせずにサイトを離脱してしまいます。
また、プライバシー保護の観点から、クッキーを規制する動きが不可逆となっています。従来のWEBデジタル広告で活用されていたサイト訪問者に対して、リターゲティング広告を出すことも難しくなっています。
そのため、WEBサイト上でよりパーソナライズされたコミュニケーションをとることで、離脱率を下げ、CV率を高めることができるWeb接客ツールに注目が集まっています。例えば、リピート顧客にポイント倍増などの特別オファーを表示し、顧客単価を高めるなどの使い方ができます。
Web接客ツールの種類
Web接客ツールにはさまざまなタイプのサービスがあります。Webサイト上での接客機能の違いとして、ポップアップ型かチャット型かで違いがあります。
また、WEBサイトだけでなく、アプリ内での接客や、WEBサイト離脱後の配信機能までプロダクトが用意されており、広義のCX改善まで活用できるツールもあります。
CXについては、「カスタマーエクスペリエンス(CX)とは?定義や重要性を解説」もご参照ください。
Web接客ツールの主な機能
Web接客ツールは、ユーザーごとに個別のコミュニケーションを実施することで成果を最大化します。
どんなユーザーが、どんなときに(いつ)、どのようなことを(何を)、どのような方法で伝えるかを設定していくことが可能です。
Web接客ツールの主な機能を「サイト訪問者のデータを取得・分類する機能」・「サイト訪問者へのアクション機能」・「レポート分析・サイト解析機能」に分けて紹介します。サービスごとに使用できる機能は異なる点はご了承ください。
サイト訪問者のデータを取得・分類する機能
・ユーザー/ 行動データの取得
サイトに訪問したユーザーの流入元、閲覧デバイス、訪問回数・日時などのユーザーデータに加えて、どのページをどのくらい閲覧したかなどの行動データを取得することができる機能です。
・企業データの取得
訪問者のIPアドレスを企業情報と紐づけることによって、サイト訪問者の所属企業を取得することができる機能です。
・外部データの連携
自社保有データやDMPなどの外部データと連携することで、よりパーソナライズされた配信を可能にする機能です。性別や誕生日などの「ユーザー情報」や、会員ランクやLINE IDなどの「会員情報」、購入した商品や金額・回数などの「トランザクション情報」などを紐づけます。
・セグメント管理
サイト訪問者に関するさまざまなデータを組み合わせて、ユーザーをセグメント管理ができる機能です。
サイト訪問者へのアクション機能
・ポップアップ
10%オフなどのクーポン表示、キャンペーンの告知などをサイト画面上にポップアップで表示する機能です
・プッシュ通知
ユーザーの属性やサイト内での行動に合わせてWebプッシュ通知を配信する機能です。
・アンケート
よく商品を購入してくれる方からの要望や、未購入者から定性情報をヒアリングし改善に活かすことができるアンケート機能です
・チャット(チャットボット)
シナリオ型のチャットボット、オペレーターが対応する有人チャット、入力フォーム型のチャットなどさまざまなタイプのチャットを組み合わせることができる機能です
・シナリオ配信機能
サイト訪問者の情報とアクションを組み合わせ、シナリオ配信ができる機能です。
・その他
商品ページに閲覧人数を表示したり、カゴ落ちを防止する機能、toB向けのツールには営業担当者に通知する機能や商談日程を調整する機能などもあります
分析・サイト解析機能
・施策結果のレポート
どれぐらいのユーザーにアクションを実施し、どのような効果が出たかなどをレポート表示する機能
・ABテスト
非表示パターンと比較したCVRの改善率や、施策別の効果を比較分析するための機能
・サイト解析
ユーザーの画面行動を動画で確認するセッションのリプレイ機能や、ヒートマップ機能など
Web接客ツールの比較選定ポイント
Web接客ツールの選び方を紹介します。
まず、Webサイト上での機能面での違いを確認するのがオススメです。ポップアップ型のWeb接客ツールか、チャット型のWeb接客ツールかは大きな違いになります。
次に、WEBサイトだけでなく、アプリでの接客やマーケティングなど、広義でのCX向上に取り組むかで選ぶべきツールは異なります。
最後に、月額の利用料金などを確認します。Web接客のみに特化したサービスが月額5万円から、高機能なサービスは月額30万円というのが目安となります。
それぞれ詳しくみていきます。
機能面|ポップアップ型かチャット型かなど
サイト訪問者のシナリオに合わせ、どのようなアクションをとることができるかでも違いがあります。ポップアップ表示に強みがあるか、チャット(チャットボット)での対応に強みがあるかなどは確認しましょう。
また、サイト解析もセットになっているサービスや、企業向けのWEBサイトであれば企業単位でのユーザー情報を取得できるかも重要です。Web接客ツール導入の目的を整理し、自社の業態と合ったサービスを導入することを推奨いたします。
チャットボット型に興味のある方は是非以下の記事をご確認くださいませ。
おすすめチャットボットツール比較10選|各サービスの特徴や選び方などをご紹介
ユーザー対応面|Webサイト特化型か、CX全体か
Webサイトに設置するチャットでのユーザー対応だけでよいか、ユーザーがサイトを訪れる前後を含めたCX全体までに改善していきたいかで選ぶべきツールが異なります。
例えば、「Karte」や「Repro」では、Webサイトに顧客を集客するための広告配信ツールや、LPOやABテストなどのサイト改善を行えるツール、ロイヤルカスタマー化を目指すためのツールなど総合的なCXソリューションを提供しています。また、アプリ上でのマーケティングを支援するツールも提供されています。
CXの向上に貢献できるサービスに興味のある方は是非以下の記事をご確認くださいませ。
【最新版】CXの向上に使えるツール14選|種類や選ぶポイントもご紹介
利用料金面|高機能サービスの目安は月額30万円~
Web接客ツールの料金は、WEBサイト上での接客に特化しているサービスは月額5万円から、CX全体を最適化できるツールなら月額30万円からというのがひとつの目安になります。
また、WEBサイト上でのCVに強みのあるサービスは成果報酬型というパターンもあります。
ハイブリッド型 Web接客ツール
TETORI|グルービーモバイル株式会社
TETORIは、コストパフォーマンスが高く、月額1万円からポップアップやチャットボット、離脱防止などの機能が利用できるのが特徴のハイブリッド型のWeb接客ツールです。未経験者も100種類以上の業界別テンプレートで、すぐに効果的なWeb接客が実施できます。無償のサポート体制も充実しており、操作レクチャーやシナリオ作成サポートも提供しています。
現在では500社以上が導入し、NTT西日本、JCB、日本ユニセフなどの大手企業も利用中のサービスです。
◇主な特徴
①充実の機能とコストパフォーマンス
月額1万円より、ポップアップやチャットボット、離脱防止機能、フォーム機能、各種分析機能が利用可能なサービス。
機能によるオプション制限がない点も魅力と言えるでしょう。
②未経験でも効果的な施策の実施ができる
業界別にすぐに使える100種類以上のシナリオテンプレートを用意されており、初めての方でも安心してご利用できる点が特徴です。ノーコード作成ですぐに施策の実施ができるため、初めての導入に特におすすめです。
③充実の無償サポート
トライアルの段階からカスタマーサクセスがシナリオ作成のサポート付き。導入後も操作レクチャーや課題解決をいつでも相談できるため、安心してご利用いただけます。
◇料金
価格:1万円~/月
無料トライアル:あり
ポップアップ型 Web接客ツール比較2選
ecコンシェル|株式会社NTTドコモ
ecコンシェルは、お客様に合わせて最適なポップアップを表示し、AIが接客効果を自動最適化するWeb接客ツールです。株式会社NTTドコモにより提供されており、導入社数は6,500社を超えています
◇主な特徴
かんたんなUIでキャンペーンの設定をすることができ、株式会社PKSHA Technologyが共同開発したAIが自動で複数の施策をA/Bテストすることが特徴です。施策結果をグラフィカルなレポートで表示するため、高速でPDCAサイクルを回すことができます。
◇料金
プランは大きく3種類(接客回数・サイト数・機能により可変)
・フリープラン:永年無料
小規模サイトで手軽にWeb接客を試せる「フリープラン」
・スタンダードプラン:9,800円/月
中小〜大規模サイトまで対応、レポートCSVダウンロード可能な「スタンダードプラン」
・エンタープライズプラン:48,000円/月
様々な機能を備えた大規模サイト向けの「エンタープライズプラン」
CODE Marketing Cloud|株式会社エフ・コード
CODE Marketing Cloudは、東証グロース市場に上場する株式会社エフ・コードが提供するWeb接客ツールです。顧客の属性や行動分析を得意としており、500社以上の導入実績があります。
◇主な特徴
訪問回数、訪問ページ、利用端末、サイト内遷移、滞在時間、訪問タイミングなどの行動データをもとにWebサイト内のユーザー一人ひとりに最適なWeb接客を実現できるのが特徴です。EC、トラベル、不動産、人材などの業界別に最適化したWeb接客用のウィジェットテンプレートが準備されているため、それぞれの業界に合わせたシナリオをかんたんに実装できます。
また、GoogleAnalyticsやその他のMA(マーケティングオートメーション)ツールと連携して顧客の行動を分析することができる点も魅力といえるでしょう。
◇料金
価格:不明
無料トライアル:不明
チャット型 Web接客ツール比較3選
Botchan(ボッチャン)|株式会社wevnal
BOTCHAN(ボッチャン)は、株式会社wevnalが提供する顧客のLTV最大化を支援するチャットボットを中心としたWeb接客ツールです。消費者の購買促進から解約防止・分析まで一貫して対応できるのが特徴。ECや不動産・美容などのToC領域などのToC領域に強みを持ち、累計600社以上の導入実績があります。
◇主な特徴
広告運用(EFO)、決済促進、会話型AI、解約分析など商品の認知から継続利用に至るまで目的ごとに複数のプロダクトラインナップを用意しているのが特徴です。直感的に利用しやすい設計や個社ごとのカスタマイズだけでなく、手厚いアフターケアや同業の事例共有など、サポート体制の手厚さも魅力。業界最安値水準でサービス提供しているのも優位性のある特徴といえるでしょう。
◇料金
HP内で詳細な記載はなし。
・初期費用:BOTCHAN AIを除き全てあり
・月額料金:BOTCHAN Engagement・BOTCHAN Keeperのみあり
・従量課金:BOTCHAN AIを除き全てあり
無料トライアル:不明
GENIEE CHAT(ジーニー チャット)| 株式会社ジーニー
「GENIEE CHAT(ジーニー チャット)」は、Web接客だけでなく、獲得した顧客のサポートや解約防止までを一貫して行える、国産唯一のチャット型Web接客ツールです。2010年創業の株式会社ジーニーにより運営されており、4,500社に導入されています。
◇主な特徴
来訪ユーザーの行動すべてを見える化し、一人ひとりのニーズに合わせたオンライン接客を行うことを可能にします。「GENIEE CHAT」ひとつで、「FAQボット」「有人チャット」「チャットEFO」など、Webサイト上でのおもてなし接客に欠かせないチャットを用意することができます。
その他、株式会社ジーニーは広告プラットフォーム事業に強みがあるため、顧客管理ができる「GENIEE SFA/CRM」や、顧客の育成ができる「GENIEE MA」などの関連ツールも提供しています。認知から優良顧客化、運用分析までを一気通貫で行えるのが特徴です。
◇料金
「サイトの申込数を増やしたい方向け」「問い合わせ工数を削減したい方向け」の2種類にプランが分類。
サイトの申込数を増やしたい方向けプラン
・成功報酬型のプラン:料金の記載なし
問い合わせ対応工数を減らしたい方向けプラン
・スタンダードプラン:50,000円/月
・ビジネスプラン:100,000円/月
sinclo(シンクロ)| 株式会社エフ・コード
sincloは、株式会社エフ・コードの提供するチャットボット型のWeb接客ツールです。様々な業種で利用され、現在では800社以上に導入されています。株式会社エフ・コードはポップアップ型のWeb接客ツールではCODE Marketing Cloud、チャットボット型ではsincloと顧客に合わせた最適な接客を支援しているのが特徴といえるでしょう。
◇主な特徴
sincloは、チャットボットと有人対応を織り交ぜたハイブリッドな接客ができ、ユーザーのニーズに合わせて柔軟に対応することが可能な点が魅力なサービスです。サイトにタグを1行追加するだけで利用でき、管理画面も直感的に操作しやすい設計のため、導入ハードルが低い点も魅力のサービスと言えるでしょう。
◇料金
コスト重視プラン:9,440円/月
成果重視プラン:29,440円/月
最低利用期間:3か月
無料トライアル:14日間無料トライアルあり
CXプラットフォーム型 Web接客ツール比較3選
KARTE Web(カルテ ウェブ)|株式会社プレイド
「KARTE Web(カルテ ウェブ)」は、独自のリアルタイム解析エンジンにより顧客一人ひとりの「今」を可視化し、解析結果に応じた自由自在なアクションを実現できるCXプラットフォーム「Karte」のWeb接客ツールです。
東証マザーズ上場の株式会社プレイドが2015年より提供しており、ロレアルやアルペングループ、ENOTECA、SBI証券などさまざまな業界を代表するエンタープライズ企業に導入されており、導入社数は600社を超えています。
◇主な特徴
ポップアップやアンケートはもちろんチャットやFAQなどの施策を、豊富なシナリオとテンプレートから活用できます。ユーザーの行動を可視化でき、サイト離脱率の改善などもPDCAを回しながら改善できるのが特徴です。
その他、モバイルアプリ用の「KARTE App」、サイト管理・改善ができる「KARTE Blocks」、広告配信最適化ができる「KARTE Signals」など、Web/アプリ外の顧客接点を改善できるさまざまなプロダクトが提供されています。
◇料金
価格:要相談。(サイトの月間ユーザー数に応じてお見積り)
初期費用:あり
無料トライアル:不明。
Repro Web (リプロ ウェブ)|Repro株式会社
「Repro Web(リプロ ウェブ)」は、ツールとヒトの力でWebとアプリの売上を最大化することを目指したWeb接客ツールです。2014年創業のRepro株式会社が提供しており、「Repro(リプロ)」シリーズは世界66カ国、7,300以上のサービスで導入されています。
◇主な特徴
Webサイトに訪れた顧客の「属性データ」や「行動データ」を基にした、1to1コミュニケーションを瞬時に実現し、「バナー表示」によるキャンペーン告知やカゴ落ちリマインドなどのほか、行動データの分析結果をメールマーケティングに活用することも可能です。
その他、アプリ内体験最適化による売上・LTVの増大を実現する「Repro APP」、サイトスピード改善ツール「Repro Booster」、ASO対策インハウス化支援ツール「ASO Insight」を提供しています。
◇料金
価格:要相談。(ヒアリング内容をもとに算出)
無料トライアル:不明。
Sprocket(スプロケット)|株式会社Sprocket
「Sprocket(スプロケット)」は、2014年創業の株式会社Sprocketが提供するCX改善プラットフォームです。東急百貨店や近畿日本ツーリストなど350社以上の導入実績があり、平均CVR改善率148.3%という効果が出ています。
◇主な特徴
Web接客やページ内埋め込みなどのパーソナライズ機能を主軸に、EFO・アンケート・動画接客・チャットボットなど顧客体験を向上させる機能が網羅されています。外部データとの連携も充実しています。
また、A/Bテストやユーザー行動を多様な視点から把握できる分析機能を備えており、専任コンサルタントとPDCAサイクルを回し続けることができるのが特徴です。
◇料金
価格:公開なし。(課題やニーズに合わせて3つのプランを用意)
無料トライアル:不明
まとめ|Web接客ツールを比較し、自社に合うものを利用しましょう!
今回は特徴的なWeb接客ツールをいくつかご紹介させていただきました。Web接客ツールというサービスの中にもそれぞれに機能や特徴に差分があり、料金面も大きく異なるのが特徴です。
導入前には自社での活用イメージを明確にしていただき、最も自社に適したサービスをご検討いただくことが重要です。
Web接客ツールの導入に興味のある企業様は、是非この機会に検討してみてください。
チャットでの顧客満足度改善にはWebチャットの利用もおすすめです。各サービスの特徴などについては、以下記事をご参考にしてみてください。
おすすめWebチャットツール比較8選!基本機能やメリット・選び方をご紹介