ビジネスシーンでの生成AI活用法|メール作成編

昨今、ビジネスシーンで話題の生成AI。よく耳にするようになってきたものの、具体的な活用方法がわからない企業も多いのではないでしょうか。今回は、複数の活用パターンのうち「メール作成」にテーマを絞って、具体的な活用方法について解説をします。

おすすめの活用シーンやケース別のすぐに使える命令文(プロンプト)、生成AIを活用したメール作成を実行する際の注意点についても合わせて解説しますので、ぜひ最後までお読みください。

「yaritori」は、最新AI「GPT-4o」を活用した機能を備えた国内初のメールサービスです。メール文の自動生成・返信、翻訳・変換、メールの自動仕分け機能などさまざまなAI機能がつかえます。

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生成AIとは?ビジネスメールの自動生成にも活用できる最新技術

昨今話題の生成AI(Generative AI)とは、文章、画像、音声など、さまざまな形式のデータを生成することができる技術のことを指します。これまでのAIは、決められた仕事を自動化してくれる存在でしたが、生成AIは膨大なデータからパターンや関係を学習し、新しいコンテンツを生成してくれます。

生成AIが学習し、人間からの指示(プロンプト)を受けて新しいコンテンツを生成する一連の流れは、「AIモデル」と呼ばれるシステムによりおこなわれ、代表的なAIモデルとして、非常に高い言語処理能力をもち、さまざまな文章生成AIに採用されている「GPT」があります。

GPTはアメリカのスタートアップOpenAI社が開発・運営しているAIモデルで、大きく話題になっているAIチャットサービス「ChatGPT」に組み込まれています。「○○を教えて」「○○についてレポートをつくって」など、指示を入力するだけで、自然な文章を生成してくれます。この機能をうまく活用することで、会食へのお誘い、日程調整の連絡、謝罪文など、日々作成する膨大なメールを、自動生成することが可能です。

生成AIを使ったメール作成のメリット

時間の節約

生成AIの活用で、メール作成にかかる時間を大幅に短縮できます。従来の手動での文章作成では、構成を考えたり、適切な表現を探したりするのに多くの時間がかかります。しかし、生成AIは迅速に文章を生成し、必要な修正も簡単におこなえます。その結果、業務効率が向上し、他の重要なタスクに時間を割くことが可能になるのです。

ARアドバンストテクノロジ株式会社が2023年9月に実施した調査によると、生成AI活用者のうち、4割以上が「作業時間が短縮された」と感じているとのことです。

業務上で生成AIを利用した際の影響を尋ねたところ、最も多かったのは「作業時間が短縮された」が41.9%、次いで「情報検索が楽になった」が39.5%、「良いアイデア、新しいアイデアにつながった」が24.4%となりました。作業の効率化に貢献度が高い状況が見受けられます。

パーソナライズ

従来、効率的なメール対応には「テンプレート化」が必須でした。しかし、生成AIを活用することで、それぞれの送信先に合わせたメール作成がボタンひとつでできるようになりました。データを読み込ませることで、送信先の名前や過去の取引履歴、関心事を反映させた内容を自動生成することが可能です。

その結果、これまで自動化できなかった連絡を効率化できたり、自社に対する親近感を育みやすくなったりと、さまざまな効果が期待できます。

ミス防止

メール作成時のミスを防いでくれることも、生成AI活用の大きなメリットの一つです。誤字脱字や主語・述語のねじれなど「ついうっかり」で起こってしまう人為的なミスを防ぐことができます。

細かいミスのないメールをつくり続けることで、正確で信頼性のある印象を与えることにもつながります。

文章改善

生成AIは、文章の自動作成だけでなく、作成した文章のチェックや、改善提案も可能です。曖昧な表現をより具体的にしたり、専門用語をわかりやすくしたりすることで、相手にとって理解しやすい文面の作成が可能です。

具体的な方法は、活用するツールによりますが、たとえばMicrosoft社が提供するメールサービス「Outlook」の場合、メール文入力後「Copilot によるコーチ」ボタンを押すと、文面をさらによくするための提案をしてくれます。

(画像出典:Copilot Lab | Outlook で Copilot を使用したメール コーチング | Microsoft)

生成AIを使ったメール作成方法

手順1: 生成AIツールの選定・導入

まず、利用する生成AIツールを選びましょう。ツールには、メール生成以外にも幅広い活用が可能な、ChatGPTをはじめとするツールの他に、メール文生成に特化したツールがあります。

最近だと、既存のメールソフトに「自動文章作成機能」が後から実装されているケースも多いです。新しくツールを導入する際は、各ツールの評判やレビューを確認し、文章の自動生成以外の機能も考慮し、自社にとって使いやすいものを選ぶと良いでしょう。

手順2: メール生成のための命令文(プロンプト)を入力

生成AIツールに、作成してほしいメールに関する命令文(プロンプト)を入力します。命令文は、「○○さんへのお礼メールを作成して」「○○に対する謝罪メールを作成して」など、簡単な内容でも生成してもらえますが、後述の「命令文(プロンプト)のコツ」を踏襲し、目的や口調などを指定することで、よりイメージ通りの内容をつくれます。

なお、利用する生成AIツールによっては、入力内容や入力の仕方が変わるため、詳しくはツールの使い方をチェックする必要があります。

手順3: 校正と調整

生成されたメールを校正します。生成AIは非常に便利なシステムではありますが、意図している通りの内容になっていない、相手の立場を踏まえた言葉遣いにない、といった不具合も発生します。生成した文章をそのまま送信することは、リスクが大きいです。とくに固有名詞や専門用語、日付に間違いがないか確認しましょう。

また、正しい言葉遣いになっているかどうかもチェックし、必要があれば手動で細かい調整をすると、さらにイメージ通りの書面がつくれます。

生成AIを使ったメール作成でおすすめの活用シーン

謝罪文やお礼など定型化の難しいメール文面の作成

生成AIは、謝罪文やお礼など、定型化されていないメール文面の作成に非常に有効です。テンプレートでの対応が難しく、状況に応じた柔軟な文面作成が必要な場合、人力で対応するには少なくとも 数分はかかってしまいます。生成AIであれば、目的や口調を指定するだけで瞬時にメールの文面が生成されるため、大幅な時間短縮が期待できます。

「承知しました」などかんたんな返信文の作成

フレームワークのないメールとは逆に、「考える必要のないメール」も生成AIに作成を任せると、効率化につながります。活用する生成AIツールによっては、​​過去のやり取りやメール内容を参照しながら、効果的な返信を迅速に作成してもらえます。

たとえばOnebox社が提供するメールサービス「yaritori AI」の場合、返信画面でポジティブな返信をするか、ネガティブな返信をするのかを選ぶだけで、返信文面を提案をしてくれます。

外国語への翻訳

国際的なビジネス環境では、外国語でのメール作成が必要になることもあります。生成AIを活用することで、日本語で作成したメールを他言語に翻訳することが可能です。ツール次第では英語だけでなく、中国語、スペイン語、フランス語など幅広い言語に対応してもらえ、グローバルなビジネス展開をサポートしてもらえます。

「yaritori」は、最新AI「GPT-4o」を活用し、ビジネスメールを自動返信する機能を備えた国内初のメールサービスです。メール文の自動生成・返信、翻訳・変換、メールの自動仕訳など、さまざまな機能があります。

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生成AIでメールを作らせる命令文(プロンプト)のコツ

目的と内容を明確に指定する

生成AIにメールを作成させる際は、まず目的と内容を明確に指定することが重要です。「取引先への謝罪文」「新製品の案内メール」など、何のためのメールなのかを明確にすることで、生成AIが適切な内容と文体を生成しやすくなります。また、含めたいポイントもなるべく詳細に指示をすることで、より精度の高いメールが生成されます。

人物設定をする

メールの受信者に関する情報を生成AIに提供することで、よりパーソナライズされた文章を作成できます。受信者の名前、役職、過去のやり取りなどを指定すると、AIはそれに応じたトーンと内容でメールを生成します。長年の顧客には親しみを込めた文面を、新規の取引先にはフォーマルな文面を、といった具合に、相手に合わせたメールが作成されます。

構造化する

生成AIは、どんな命令文を入力しても、それなりの文章を生成してくれますが、精度の高い内容をつくってもらうには、目的、伝えたいこと、口調、その他の要望など、命令文をAIが理解しやすい形に整理して明確にする「構造化」が重要です。

命令文例)

取引先であるxx社の社長宛に、システム障害が起こった件について、謝罪するメール本文をつくってください。

伝えたいメッセージ
・xx社に不利益を与えたことを申し訳なく思っている
・原因は、サーバー移管時に発生した手順ミス
・現在は復旧済みで、通常通りサービスを利用可能

口調
・申し訳ない気持ちが伝わるよう、丁寧に

その他
・敬具は不要
・自社の社名と名前を入れてください:FUKUROU株式会社 田中太郎

実際の出力内容)
件名:システム障害に関するお詫び

ChatGPTによる出力内容)

xx社
社長 [社長の名前]様

平素より大変お世話になっております。
FUKUROU株式会社の田中太郎と申します。

この度、弊社のシステム障害により、xx社様にご迷惑とご不便をおかけしましたこと、
心よりお詫び申し上げます。
貴社の業務に支障を来す結果となり、大変申し訳ございませんでした。

障害の原因については、サーバー移管時に発生した手順ミスであることが判明いたしました。
この不手際により、貴社に多大なるご迷惑をお掛けしましたこと、重ねてお詫び申し上げます。

現在、システムは復旧しており、通常通りサービスをご利用いただける状態になっております。
今後は同様の問題が発生しないよう、再発防止策を徹底し、より一層の注意を払って参ります。

何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。

FUKUROU株式会社
田中太郎

番外編)命令文作成自体も生成AIに任せる

命令文の作成に慣れていない場合、生成AI自身にプロンプトを作成させるのも一つの方法です。たとえば、「取引先への新製品案内のメールを書くためのプロンプトを作成して」と指示すると、生成AIが最適なプロンプトを提案してくれます。提案を見て、問題なければ「その要件でxxさん宛のメールを作成して」と入力することで、メール本文の作成までそのまま出力させることも可能です。

ケース別すぐに使える命令文(プロンプト)例

「生成AIを使ったメール作成でおすすめの活用シーン」にてご紹介したそれぞれのシーンで、活用可能な命令文例をいくつかご紹介します。下記の命令文例をベースに、自社業務に即した微調整をおこなったうえで、ご利用ください。

謝罪

取引先であるxx社の社長宛に、(トラブル)が起こった件について、謝罪するメール本文をつくってください。

伝えたいメッセージ
・xx社に不利益を与えたことを申し訳なく思っている
・原因は、(適宜入力)
・お詫びとして、(適宜入力)を検討している

口調
・申し訳ない気持ちが伝わるよう、丁寧に

その他
・敬具は不要
・自社の社名と名前を入れてください:FUKUROU株式会社 田中太郎

お礼(会食の場合)

取引先であるxx社の社長宛に、会食について、お礼の気持ちを伝えるメール本文をつくってください。

伝えたいメッセージ
・ご馳走いただきありがとうございました
・勉強になり、とくに(適宜入力)は試す予定
・今度は(適宜入力)でまた会食しましょう

口調
・目上の人に対して失礼に当たらない表現
・かたくなりすぎず、親しみを込める

その他
・敬具は不要
・自社の社名と名前を入れてください:FUKUROU株式会社 田中太郎

返信文

以下の内容をもとに、メールの返信内容を出力してください。

受信したメール内容
ーーー
お世話になっております。xxのxxです。本日はお忙しい中お打ち合わせありがとうございました。
本日の議事録をお送りいたしますのでご確認いただけますと幸いです。

次回の打ち合わせについては、一週間後の○月△日の10:00からでいかがでしょうか?
ご確認をよろしくお願いいたします。
ーーー

返信に含める内容
・時間をもらったことへの感謝
・提案の内容で問題ない

口調
・失礼に当たらない丁寧な表現

その他
・敬具は不要
・自社の社名と名前を入れてください:FUKUROU株式会社 田中太郎

外国語への翻訳

以下の内容をもとに、メールの内容を英語で作成してください。

伝えたいこと
・日本で会食を開きたい・以下の日程候補から都合の良い時間を選んで欲しい 
・6/14 19:00~
・6/19 19:00~
・6/21 19:00~
・2時間程度の予定
・場所は、イタリアンレストラン(東京都港区xx)

口調
・ビジネスシーンで違和感のない表現・失礼に当たらない丁寧な表現

その他
・自社の社名と名前を入れてください:FUKUROU株式会社 田中太郎

メール作成を生成AIに頼る際の注意点

情報が正しいか確認する

生成AIを使ってメールを作成する際には、生成された情報が正しいかどうかを必ず確認することが重要です。生成AIは、入力されたプロンプトに基づいて文章を生成しますが、正確な情報を出力してくれるとは限りません。特に日時、場所、名前などの具体的な情報については、間違いないか確認しましょう。

個人情報が学習に使われないか確認する

とくに無料の生成AIツールを使用する場合、個人情報の取り扱いには注意が必要です。無料ツールの中には、入力されたデータを学習に使用するものもあり、個人情報が意図せず第三者に漏洩する可能性があります。使用するツールのプライバシーポリシーを確認しておきましょう。

最終チェックは欠かさない

生成された文章は一見完璧に見えても、細かな誤字脱字や文法ミス、不適切な表現が含まれている可能性があります。「立場や関係性にふさわしい言い回し」「読みやすい文章」は、生成AIの苦手分野なので、人の手によるチェック・調整が必要です。

生成AIでビジネスメールを自動返信したいなら「yaritori」

「yaritori」は、「info@」や「support@」といった代表アドレスを複数人で共有・管理できる、メール共有・問い合わせ管理システムです。

yaritoriは、最新AI「GPT-4o」を活用した、国内初のメール生成機能「yaritori AI」を搭載しています。①メール文の自動生成、②丁寧な文章への変換、③日本語から英語への翻訳の3つの機能が利用可能です。

独自プロンプトにより、新入社員やITに疎い人でも精度の高いメール文を生成できるのが特徴です。また、メールサービスにAIが直接組み込まれているため、
メール入力文にコピー&ペーストする手間がなくなります。

さらにyaritoriでは、商談の議事録を自動で要約・自動でお礼メールを作成する機能や、問い合わせメールへの返信文を自動作成し送信ボタンを押すだけで返信できる機能などを構想しています。

まとめ|生成AIを活用したメール作成にいますぐ取り組もう

いかがだったでしょうか?
この記事では、ビジネスシーンでの生成AI活用法をご紹介させていただきました。

生成AIはさまざまな用途での活用が期待されている技術ですが、まずはメール作成というもっとも基本的な業務から取り入れてみるのはいかがでしょうか?

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