「Zendesk」と「yaritori」は、お客様対応を頻繁に行う傾向にある企業で、比較されることが多いサービスです。どちらのサービスが自社に合うかわからず、両者の違いや比較情報を知りたい人も多いでしょう。
そこで当記事では、「Zendesk」と「yaritori」の両サービスについて、機能・操作性・価格などの多様な視点から徹底比較し、特徴や違いを解説します。導入のしやすさやサポート体制といった、資料では見えにくい部分も取り上げるため、導入や乗り換えを考える人はぜひ参考にしてください。
『「yaritori」は、複数人でのメール対応を効率化できるメール共有システムです。大量のCCメールで、対応漏れや遅れが発生している方にオススメです。
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Zendesk(ゼンデスク)とyaritoriのサービス概要
まずは「Zendesk」と「yaritori」のサービス概要を解説します。運営会社の特徴と、サービス面での視点から見ていきましょう。
※Zendeskには、「Zendesk for service(カスタマーサポート向け)」と、「Zendesk for sales(営業支援向け)」の主要製品が存在します。一般的に言われるZendeskは「Zendesk for service」を指すことから、当記事でも「Zendesk」=「Zendesk for service」として扱います
運営会社の概要
Zendesk | yaritori | |
運営会社 | 株式会社Zendesk | Onebox株式会社 |
本社所在地 | 東京都中央区京橋 2丁目2番1号京橋エドグラン(東京オフィス)※本社はアメリカのサンフランシスコ | 東京都港区南青山2丁目2番15号 |
事業内容 | カスタマーサポートソフトウェアの開発・提供 | メール共有システムの企画、開発、販売、運用 |
資本金 | 非公開 | 83百万円(資本準備金含む) |
サービスの特徴
Zendesk | yaritori | |
サービス提供開始日 | 2013年(※日本法人の開始日) | 2020年 |
特徴 | ・社外の顧客とのやりとりに重きを置く「業務効率化」に向けたツール・メールやチャットができる・チームでの顧客対応を想定した構造 | ・業務効率化や社内外のコミュニケーションツールとして使用できる ・メールサービスやビジネスチャットを搭載・複数名対応はもとより、個人利用もできる |
導入社数 | 10万社(※全世界) | 180社 |
代表的な導入企業 | NTTドコモ、Spoonflower、DMM Boost、Motel Rocks | 朝日新聞、西川、UPSIDER、ラクスル |
新機能などのリリース情報 | ・AI搭載のマネジメントツール「AIエージェント」「エージェント Copilot」をリリース(ワークフローの自動化・品質管理など) | ・生成AIを活用した「yaritori AI」のリリース(メール文の自動作成・翻訳など) ・問い合わせ対応でたまったコンタクトに対し、一斉配信できる「yaritoriメール配信」をリリース |
「Zendesk」は、2007年にアメリカでスタートした総合型カスタマーツールであり、世界各国で導入されています。メール・チャット・電話などの顧客対応を一元管理できることが特徴です。
Zendeskの詳細については以下の記事ご参考下さい。
Zendeskとは?主要機能や使い方・導入のメリットなどをご紹介
「yaritori」は、2020年にスタートした比較的新しいサービスであるものの、メディアなどでも注目され導入企業も着実に増えています。複数名対応だけでなく、個人メールの管理も可能です。複数のアカウントを1画面で運用できます。
yaritoriの詳細については以下をご参考下さい。
メール共有システム・問い合わせ管理システム「yaritori(ヤリトリ)」
Zendesk(ゼンデスク)とyaritoriの「サービス導入」から基本機能の使いやすさの比較
ここでは、「Zendesk」と「yaritori」の導入のしやすさや、基本機能の使いやすさについて比較・紹介します。
導入のしやすさ
導入前に、サービスの使い勝手を体験することは、重要なポイントだといえます。トライアルから実際の契約にすすむ際に、「スムーズに設定できるか」もチェックすると良いでしょう。
Zendesk | yaritori | |
無料トライアルから契約までの流れ | 自らシステムにアクセスし、プラン・ライセンス・支払い方法などを入力する | 無料トライアルからそのまま本契約に移行可能(本契約時に、支払い手続きを実行) |
無料トライアル期間 | 14日間 | 7日間 |
設定方法 | 以下いずれかの方法で対応①Zendeskに直接問い合わせる②代理店を探して申し込む | 無料トライアルページにアクセスし、必要事項を入力するのみ |
利用開始までに必要な時間 | カスタマイズも希望する場合、実際の運用までに工数を要する | 即日1分ほどで開始 |
Zendeskは、トライアルでも「契約後のプラン」「支払い方法」「利用人数」を決める必要があります。カスタマイズを要する場合には、本運用までに一定の工数が必要です。一方yaritoriは、簡単な情報を入力するだけで無料トライアルを試せますし、契約を希望する場合にも即日1分で開始できます。トライアル利用や契約をスムーズにすすめたい場合には、yaritoriの方が適するでしょう。
画面デザイン
画面デザインの比較では、「シンプルな見た目か」や「どこに何が表示されているかがわかる」といった視点でチェックすると良いでしょう。
Zendesk(ゼンデスク)の画面デザイン
Zendeskの画面は3つにわかれており、以下のような構成になっています。
■左側…チケットのプロパティ
(※Zendeskでは、問い合わせを「チケット」という単位で扱います)
■中央…会話の内容
■右側…その他の連携やアプリ情報
画像引用元:Zendesk_カスタマーサポートツール比較21選 機能や価格を解説
チケットというZendesk独自の概念で展開されるため、操作画面も「チケット」に慣れるまでは、迷う可能性があるかもしれません。
yaritoriの画面デザイン
yaritoriの画面デザインも、Zendesk同様に「3つの構成」でわかれており、以下のような画面設計になっています。
左側のメニューバーで「受信済み」や「送信済み」のメールを選べば、中央に対応状況が表示され、右側にはメールの内容詳細が記載される仕組みです。どこに何があるかが、一目でわかるような作りになっています。「対応ステータス」や「メールごと」の担当者も一目瞭然であるため、対応モレや二重対応の防止も期待できます。
操作性
操作性をチェックする際には、「多くの従業員がすぐに操作できるか」や「わかりやすいか」という点を重視することが大切です。
Zendesk | yaritori | |
画面デザイン | 3ペイン方式 | 3ペイン方式 |
ステータスの管理 L 返信状況 / 返信担当者 | ・6つの対応ステータスで、各自の対応状況がわかる(新規、オープン、保留中、待機中、解決済み、終了) | ・対応ステータスで、各自の対応状況がわかる |
社内コミュニケーション L メールごとのチャットや未読既読など | ・チャット可能なものの、管理者による個別設定が必要 ・「未読既読」機能あり | ・デフォルトでチャット機能を搭載 ・「未読既読」機能あり |
返信時の操作 L 二重対応防止やテンプレートなど | ・ステータス管理で二重対応を防止 ・返信内容のテンプレート化 | ・ステータスチェックによる二重対応の防止 ・対応中メールをロック ・メールテンプレートのワンクリック挿入 |
Zendeskのステータスは6種類である一方で、yaritoriは2種類です。複雑なステータス管理を求めるか、「対応or未対応」のわかりやすい仕組みが良いかは、意見がわかれるでしょう。またZendeskでは、個別設定をしないとチャット機能が使えないものの、yaritoriはデフォルトで搭載されています。シンプルさを求め、管理者負担も減らしたい人には、yaritoriの方がおすすめです。
Zendesk(ゼンデスク)とyaritoriの機能面について
サービスを検討するうえで、機能面の比較も重要な項目です。
自社の目的を踏まえ、必要な機能の有無についてチェックすることで、どちらのサービスがより自社に適するかがわかるでしょう。
基本機能
基本機能は、定着率や生産性に関係します。どのような基本機能があるかをチェックし、より自社に適した内容を選ぶことが大切です。
zendesk | yaritori | |
複数メールの管理方法 | ・チケットで管理…問い合わせを、Zendesk独自のシステム「チケット」という単位で管理する | ・チーム別のメールアドレス…チームごとにメールアドレスを用意できる |
メールの整理方法 | ・ステータス管理…対応状況を6つにわけ、ステータスに応じて対応 | ・ステータス管理…未対応/対応済みなどのステータスで管理 ・タグ…状況に応じたタグを使用 |
顧客管理 | ・アドレス帳…氏名や会社などで顧客データを管理 | ・アドレス帳…氏名や会社などで管理(会社単位での対応履歴も掲載) ・個別の情報管理…相手ごとの配信停止やエラー情報をチェック |
レポート | ・集計&分析…問い合わせ数やチケットボリュームを分析。顧客満足度も可視化 | ・集計&分析…各スタッフの対応頻度や、問い合わせ内容を分析。業務負担の割合も可視化 |
両者ともに、複数メール対応やデータの集計・分析ができます。
とはいえ、Zendeskはチケットという単位で管理するため、Zendesk独自の考えに慣れるまでは時間がかかる傾向にあります。yaritoriは通常のメール単位で管理・分析を行うことから、一般的なメールを利用してきた人にとって馴染みやすいでしょう。
特徴的な機能
特徴的な機能を比較する際には、該当機能の活用によって、どれだけ作業効率が高まるかを考えることが大切です。
zendesk | yaritori | |
メール送信の効率化 | ・ステータス…新規、オープン、保留中、待機中、解決済み、終了の6ステータスで管理 | ・開封履歴…既読未読や既読がついた時間がわかる・フォローアップ…期日に返信がない場合に、再通知 |
コミュニケーション機能 | ー | ・チャット…個別チャットと、グループチャットに対応 |
マルチチャネル | ・コミュニティフォーラムの設置 ・チャットボット | ・電話メモ ・LINE公式アカウントと連携 |
ビジネスチャット連携 | Slackをはじめ、多数のアプリから、連携するビジネスチャットを選べる | 「Slack」「Chatwork」と連携 |
外部システム連携(CRMなど) | Salesforceをはじめ、多数のアプリから、連携する外部システムを選べる | Salesforceと連携 |
自社システム連携 | ー | ・自社サービス「メール配信システム」と連携 |
AI機能 | 最新AIによる「チャットボットによる顧客対応」や「問い合わせ内容の要約」が可能 | 最新AIによる「メール文の自動作成 ・変換」や「クレームメールの判断」が可能 |
ワークフロー・自動化 | ステータスの確認によって、チケットの対応状況がわかる | 件名やアドレスなどの条件を指定し、ステータスや担当者を設定できる |
Zendeskは、「顧客vs自社」とのやりとりに強い機能が多いものの、「自社メンバー同士」にフォーカスした機能は少ない傾向にあります。一方yaritoriは、自社メンバー向けのチャット機能や電話メモなど、「自社メンバー同士」の視点で展開する機能も搭載しています。チーム全体での作業効率化も踏まえる場合には、yaritoriの方が適するでしょう。
サポートとセキュリティ
zendesk | yaritori | |
サポート体制 | ・メール ・電話 | ・メール ・電話 ・オンライン ・対面 上記いずれかで対応 |
その他支援業務 | ・お客様の質問に対し対応 | ・お客様の状況や課題に応じて幅広く支援・自社ツールで解決できない悩みもサポート |
セキュリティ | ・エンタープライズクラスのセキュリティ機能・アプリケーション、システム、ネットワークを包括的に監視 | ・不正アクセス防止…IPアドレス制限、二要素認証、IDやPWを1度間違えると一定期間ロックされる ・脆弱性対策…Google提供のSSLサーバー証明書、GitHubのdependabot活用による診断チェックなど |
Zendeskは、サポート体制がメールと電話に限定されており、基本的には質問内容に対しての回答になります。
yaritoriは、メール・電話はもとより、オンラインや対面でのサポートも実施します。質問への回答にとどまらず、プラスアルファの提案をすることもあります。手厚いサポートを期待する場合には、yaritoriの方がおすすめです。
Zendesk(ゼンデスク)とyaritoriの料金について
サービスを比較するうえで、料金も重要なポイントです。
ここでは、両サービスの料金体系や、どういった内容にどれだけの予算が必要かを比較します。
Zendesk | yaritori | |
料金体系 | 月額ユーザー課金であり、基本サポートのみを考える場合には、以下3つのプランから ・Support Team ・Support Professional ・Support Enterprise | 以下3つで構成 ・月額ユーザー課金 ・オプション ・データ容量 ※3つのプラン(ライト/スタンダード/ビジネス) |
初期費用 | なし | なし |
月額料金 | ・Support Team:1ユーザー19ドルから ・Support Professional:1ユーザー55ドルから ・Support Enterprise:1ユーザー115ドルから | 1ユーザー1,980円から |
プランの違い(基本機能)・登録できるメールアドレス数・容量・ユーザー数など | 【Support Team】チケット管理、簡易分析など 【Support Professional】チケット管理・簡易分析のほか、多言語対応、顧客満足度調査など 【Support Enterprise】上記のほかに、ワークスペースやチケット担当者の割り当て | 【ライトプラン】・登録できるアドレス…3個まで 【スタンダードプラン】・登録できるアドレス…無制限 【ビジネスプラン】・登録できるアドレス…無制限 【全プラン共通】■容量…5GB×ユーザー数(※10GB追加ごとに1,000円)■ユーザー数…2ユーザーから可能 |
オプション | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
最低契約期間 | なし | なし |
両サービスともに複数プランを用意しており、1ユーザー1,900円前後から始められます。しかし、Zendeskはプランごとに最低料金が19ドル・55ドル・115ドルと変動します。ドル換算であるためそのため、料金プランが複雑な部分があるでしょう。yaritoriは3つのプランともに日本円表記なので、シンプルでわかりやすいことが特徴です。
Zendesk(ゼンデスク)とyaritoriの口コミついて
口コミは実際にサービスを利用した人の感想であるため、製品を比較する際の重要な情報になり得ます。両者の口コミは、以下の通りです。
Zendesk(ゼンデスク)の良い口コミ
・問い合わせ窓口を統一できた
・お問い合わせ利用者の満足度が向上した
Zendeskの改善が期待されている口コミ
・使いにくい側面がある
・構造がむずかしい
yaritoriの良い口コミ
・導入したあとのサポートが素晴らしかった
・Gmailとは比べものにならない手軽さ、しかも安い
yaritoriの改善が期待されている口コミ
・メールの自動返信化など、AI機能の拡張に期待
「Zendesk」「yaritori」ともに、一定の評価があるとわかります。ただし、Zendeskは独特な仕組みやシステムから、使いやすさの改善を求める意見が見受けられました。yaritoriは「手軽に利用できる」「サポート体制が良い」といった意見が見られました。
まとめ
Zendeskとyaritoriはそれぞれ特徴があり、搭載する機能・使いやすさ・料金面にも違いがあります。使い勝手が良く、サポート体制にも期待する人には、yaritoriの方がおすすめです。直感的に操作でき、万が一不明点や疑問があっても、サポートにコンタクトをとれば迅速な解決が期待できるでしょう。
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