メーラーとは?おすすめ9選と比較!メールソフトとの違いや選び方も解説

メーラーとは、電子メールを作成・送受信・管理するためのソフトウェアのことです。

「Outlook」「Gmail」などが有名ですが、種類が豊富なため「どれを使えばいいのか迷ってしまう」という方も多いでしょう。特にビジネスで利用する場合、ツールの選び方は業務効率だけでなく、セキュリティにも大きく影響します。

そこで本記事では、メーラーの基本的な仕組みや種類の違いを整理したうえで、ビジネスにおすすめのメーラー9選を紹介します。無料版を使う際の注意点や選び方のポイントも解説するので、用途に合ったメーラーを見つける参考にしてください。

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メーラーとは?

まずはメーラーに関する基本知識について見ていきましょう。

メーラーとはメールを送受信するためのソフトウェア

メーラーとは、電子メールの送受信を行うソフトウェアです。正式には「電子メールクライアント」と呼ばれ、メーラーを使って日々メールのやり取りをしています。

メールアドレスを取得しただけではメールのやり取りはできないため、利用者がメールの送受信や整理といった操作をできるようにするためにメーラーを使用します。

具体的には、Windowsに標準搭載されている「Outlook」や、iPhoneの「メール」アプリなどがこれに当たります。ソフトに自分のメールアドレス情報を設定して、初めてメールの作成画面を開いたり、受信ボックスを確認したりといった具体的な操作が可能となります。

メーラーの仕組み|送受信はメールサーバー経由で行われる

メーラーでメールを送信した際、データが直接相手の端末に届くわけではありません。実際には「メールサーバー」と呼ばれるメール配送用のサーバーを経由して届けられます。

メールサーバーは、手紙における「郵便局」のような役割を果たしています。送信されたメールを一時的に保管し、相手側の受信準備が整ったタイミングで引き渡す仕組みです。これにより、相手がPCの電源を切っていても、メールが消えることなく確実に届きます。

送信時は「SMTPサーバー」が配送を担い、受信時は「POP」や「IMAP」というサーバーからメールを取り出します。メーラーは、裏側の複雑な通信処理をユーザーに代わって自動で行い、スムーズな送受信を実現しているのです。

メーラーとメールソフトとの違い

「メーラーとメールソフトは何が違うの?」と疑問に思う方も多いでしょう。基本的には、どちらもメールを送受信するツールを指す言葉であり、同じ意味で使われる場面が大半です。

ただし近年では、「メーラー」という言葉がより広い意味で使われるケースが増えています。具体的には、PCにインストールして使う従来の「メールソフト」だけでなく、ブラウザ上で動作する「Webメール」も含めたメール機能を持つツールの総称として「メーラー」と呼ぶ傾向があります。

つまり、「メーラー」という大きなカテゴリの中に、「インストール型のメールソフト」と「クラウド型のWebメール」が存在するという分類です。

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メーラーの機能

次にメーラーの機能について、共通的に利用できる基本機能と、メーラーによって異なる追加機能に分けて解説します。

基本機能|送受信・管理の標準機能

現在のメーラーには、単にメールを送る・受け取るだけでなく、安全かつ円滑にやり取りするための機能が標準で搭載されています。主な基本機能は以下のとおりです。

機能概要
メール送受信テキストやファイルを指定した相手とやり取りする最も基本的な機能
アドレス帳連絡先を登録・管理し、入力の手間削減と誤送信を防ぐ機能
検索機能キーワードや条件指定で、目的のメールを即座に探し出す機能
迷惑メール対策スパムや詐欺メールを自動判別し、専用フォルダへ隔離する機能
ウイルススキャン添付ファイルのウイルス感染をチェックし、安全性を保つ機能

追加機能|効率化やセキュリティのための機能

基本機能に加えて、多くのメーラーではチームでの生産性を向上させるための「追加機能」が搭載されています。代表的な追加機能は以下のとおりです。

機能概要
チャット機能メールごとに社内メンバーと相談や情報共有ができる機能
自動振り分け設定した条件に基づき、メールを自動的にフォルダ等に整理する機能
ステータス管理対応状況(未対応・完了など)を可視化し、二重対応や放置を防ぐ機能
外部ツール連携SlackやCRMなど他ツールと連携し、通知やデータ同期を行う機能
自動化(ワークフロー)通知や担当者割り当てなどの定型業務を自動で実行する機能

メーラーの種類

メーラーには大きく分けて「インストール型」と「Web型」の2種類があります。ここでは、それぞれの特徴とメリットについて見ていきましょう。

インストールして使用するメールソフト

従来からあるタイプは、PC等の端末にソフトをインストールして利用する「メールソフト」です。

このタイプの特徴は、受信したメールデータを自分の端末内に保存して管理する点にあります。そのため、インターネットがつながらないオフライン環境でも、過去のメールを確認したり下書きを作成したりできるのが強みです。

代表例には「Thunderbird」やデスクトップ版の「Outlook」が挙げられます。特定のPCで集中して作業を行う場合や、社内規定で高度なセキュリティ設定が求められる環境での利用に適しています。

ブラウザで利用するWebメール

近年利用が増えているのが、Google ChromeやEdgeなどのブラウザ経由で利用する「Webメール」です。

このタイプは、インターネット環境さえあれば、PCやスマホなど端末を問わずどこからでもアクセスできるのが特徴です。データがクラウド上のサーバーに保存されているため、端末が故障してもメールデータが消える心配がありません。

「Gmail」や「Yahoo!メール」などが代表的です。アカウント作成だけですぐに利用開始できる手軽さと、リモートワークなど場所を選ばない働き方に適している点から、広く選ばれています。

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メーラーの選び方

自分に合ったメーラーを選ぶためには、以下の5つのポイントを確認しましょう。

利用したい機能は揃っているか

まずは、自社の業務に必要な機能が搭載されているかを確認しましょう。

単に「送受信できればいい」と考えて導入しても、後から「自動振り分け機能がない」「チャット連携ができない」といった不満が出てくると、別のメーラーを検討しなくてはならなくなります。

たとえば、チームで共有するなら「ステータス管理機能」が必須ですし、大量のメールをさばくなら高度な「検索機能」があると便利です。

まずは現状の課題を洗い出し、それを解決できる機能を持ったメーラーを選びましょう。

利用料と機能のバランス

次に、コストと機能のバランス(費用対効果)を確認します。メーラーには有料ツールも存在しますが、必ずしも「高機能=自社に最適」とは限らないからです。

小規模な運用であれば無料ツールで十分な場合もありますし、逆に有料でも業務時間が短縮できるなら安い投資と言えます。

「1アカウントあたりいくらかかるのか」「初期費用は必要か」といったコスト面と、「どれだけ業務が楽になるか」を天秤にかけ、予算内で最大の効果が得られるツールを選びましょう。

対応OSとデバイス

利用する環境に合わせて、対応しているOSやデバイスの確認も忘れてはいけません。

特に最近は、オフィスではWindows、外出先ではiPhoneやAndroidといったように、複数のデバイスを使い分ける方が増えています。特定のOSでしか動かないソフトを選んでしまうと、端末ごとに別のメーラーを利用しなければなりません。

Webメールなら基本的にOSを問わず使えますが、インストール型の場合はMac非対応のソフトなどもあるため注意が必要です。自社の利用環境に合ったマルチデバイス対応のものがおすすめです。

セキュリティ対策は十分か

ビジネス利用であれば、セキュリティ対策は最優先でチェックすべき項目です。

メールはウイルス感染や情報漏えいの主要な経路になり得るため、万全の対策がないメーラーを使うと、企業全体のリスクを高めてしまいます。特に無料のメーラーは、有料版に比べてセキュリティ機能が簡易的な傾向があります。

「迷惑メールフィルタの精度は高いか」「誤送信防止機能はあるか」「ウイルススキャンは標準装備か」などを確認しましょう。企業の信頼を守るためにも、十分なセキュリティ基準を満たしているメーラーを選ぶことが重要です。

他システムとの連携は可能か

最後に、すでに社内で使っている他のシステムと連携できるかも確認しておきましょう。

メール業務は単独で完結するものではなく、顧客管理やチャット連絡など、他の業務と密接に関わっているからです。連携機能があれば、メールの内容をワンクリックでチャットに流したり、CRMの顧客情報をメール画面に表示したりでき、業務スピードが格段に上がります。

SlackやChatworkなど、自社で導入済みのツールとスムーズに連携できるメーラーを選べば、業務全体の効率化にもつながります。

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おすすめのメーラー9選

弊社が実施した「ビジネスメール調査2026」によると、ビジネスで利用されているメーラーの8割以上を「Outlook」と「Gmail」で占めていました。

メールソフトの利用実態

ここでは、本調査の結果を踏まえつつ、おすすめメーラーを9つ紹介します。

yaritori|Onebox株式会社

yaritoriは、Onebox株式会社が提供する、チームでのメール共有に特化したメーラーです。複数人で「support@」などの代表アドレスを管理する際の課題を解決するために開発されました。

特徴のひとつが、各メールに「未対応」「対応中」「完了」といったステータスを付与できる点です。誰がどのメールに対応しているかが一目でわかるようになるため、二重返信や対応漏れといったミスを未然に防げます。

また、メール画面上でメンバーとチャット相談ができる機能や、Slack連携、AIを活用したメール作成支援機能など、最新の技術で業務効率を高める機能が充実しています。GmailやOutlookのアカウントともワンクリックで連携可能です。

チームでの顧客対応を可視化し、品質を向上させたい企業に最適で、機能と価格のバランスに優れています。料金は1ユーザーあたり月額1,980円から利用可能です。

Outlook|Microsoft

Outlookは、ビジネスツールの定番であるMicrosoft社が提供するメーラーです。調査結果でもシェアNo.1を獲得しており、多くの企業で標準ツールとして採用されています。

個人向けの無料Webメール「Outlook.com」、PCインストール型の「Outlook」、そして法人向けグループウェア「Microsoft 365」に含まれるビジネス版の3形態があります。

ビジネス版では、独自ドメインの利用や大容量のメールボックスに加え、高度なセキュリティ機能が利用可能です。最大の強みは、WordやExcel、TeamsといったOffice製品との強力な連携です。カレンダーとメールが一体化しており、会議調整などもスムーズに行えます。

料金は「Microsoft 365 Business Basic」で1ユーザーあたり月額899円(税抜・年払い)から利用可能です。

Gmail|Google

Gmailは、Googleが提供する世界最大級のメーラーです。プライベート利用の無料版も有名ですが、ビジネス向け有料版(Google Workspace)では、より高度な管理機能が提供されています。

強力な検索機能とスパムフィルタの精度の高さが特徴で、大量のメールの中から目的の1通を瞬時に見つけ出せます。ビジネス版では独自ドメインの利用が可能で、企業としての信頼性を担保できます。

また、Googleドライブやカレンダー、ビデオ会議(Meet)との連携が非常にスムーズで、ブラウザひとつで業務を完結できる利便性が魅力です。

料金は「Business Starter」プランで1ユーザーあたり月額800円(税抜)から利用可能です。

Yahoo!メール|LINEヤフー株式会社

Yahoo!メールは、LINEヤフー株式会社が運営する、日本で広く利用されているメーラーです。日本国内での知名度が高く、誰でも直感的に使えるシンプルな操作性が特徴です。

個人向けのYahoo! JAPAN IDのほかに、法人向けには、広告出稿などのビジネスサービスで利用する「Yahoo! JAPANビジネスID」に付随するメール機能があります。

ビジネス利用の場合、「@会社名.co.jp」のような独自ドメインの運用には対応していませんが、有料オプションとして、好きな文字列でメールアドレスを作成できる「マイネームアドレス」(@***.name形式、月額330円(税込))や、ウイルスチェックサービス(月額220円(税込))などが提供されています

料金は、個人向けのYahoo! JAPAN ID、Yahoo! JAPANビジネスID共に無料です。

サイボウズ Office|サイボウズ株式会社

サイボウズ Officeは、国内の中小企業向けに開発されたグループウェアです。スケジュール管理や掲示板などの機能とセットで、メーラー機能が搭載されています。

日本の商習慣に合わせた使いやすいインターフェースが特徴で、ITツールに不慣れな方でも迷わず操作可能です。メール機能では、アドレス帳の共有や誤送信防止チェックなど、組織での運用を前提とした機能が備わっています。

社内の情報共有基盤をまとめて導入したい中小企業におすすめです。料金はスタンダードコースで1ユーザーあたり月額600円(税抜)(最低5ユーザー〜)から利用可能です。

Thunderbird|Mozilla Foundation

Thunderbirdは、Webブラウザ「Firefox」などを開発するMozilla Foundationが提供する、無料のインストール型メーラーです。

オープンソースで開発されており、無料ながら非常に高機能です。複数のメールアカウントを一元管理できるタブ表示や、豊富なアドオン(拡張機能)によるカスタマイズ性の高さが、エンジニアやパワーユーザーから長年支持されています。

広告表示がなく、ユーザーのプライバシーを重視した設計も特徴です。コストをかけずに、PC上で自分好みのメール環境を構築したい場合に適しています。料金は無料です。

iPhone/iPad/Macのメーラー|Apple

Apple製品に標準搭載されているメールアプリは、Appleユーザーにとって身近で使いやすいメーラーです。

iCloudメールだけでなく、GmailやOutlook、会社の独自ドメインメールなど、複数のアカウントを一つのアプリでまとめて管理できます。最大のメリットは、Appleデバイス間のシームレスな連携です。

Macで書きかけたメールの続きをiPhoneで送信したり、iPadで受信した添付ファイルを即座にプレビューしたりと、デバイスを意識せずに業務を行えます。

Apple製品をメインで使用している環境であれば、追加コストなしで快適なメール環境が手に入ります。料金は無料です。

Becky!Internet Mail|有限会社リムアーツ

Becky! Internet Mailは、20年以上の歴史を持つWindows用の老舗インストール型メーラーです。

派手な機能はありませんが、動作が軽快で安定している点が特徴です。数万通のメールを保存していてもサクサクと動き、キーボードショートカットなどの操作性も抜群です。

独自ドメインの管理や複数アカウントの切り替えも容易で、メール処理のスピードと確実性を重視する実務派のビジネスパーソンから根強い人気があります。

料金は4,400円(税込)の買い切りライセンス制です。

Garoon|サイボウズ株式会社

Garoonは、サイボウズが提供する中堅・大規模組織向けのグループウェアです。数千名規模での利用にも耐えうるスケーラビリティと、高度な管理機能を備えています。

メール機能も組織階層に応じた権限設定や、他システムとのAPI連携など、大企業の複雑な要件に対応できるように設計されています。多言語対応もしており、グローバル展開している企業でも利用可能です。

全社的なコミュニケーションポータルとしてメール機能を統合したい場合に適しています。料金はクラウド版で1ユーザーあたり月額900円(税抜)(最低10ユーザー)から利用可能です。

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無料メーラーを利用する際の注意点

ここでは、ビジネスで無料メーラーを利用する際に注意すべき点について解説します。

セキュリティリスクへの理解

無料メーラーは手軽な反面、ビジネス利用にはセキュリティ面に不安が残る場合があります。

有料のビジネス向け製品と比べると、高度なウイルス検知機能や、管理者によるアクセスログ監視といった機能が制限されているケースが多いです。近年増加している標的型攻撃メールのような脅威に対し、無料版の標準フィルタだけでは防ぎきれない可能性があります。

万が一情報漏えいが起きれば、企業の信用は失墜してしまいます。機密情報を扱う業務では、コストよりも安全性を最優先し、十分な対策が講じられたメーラーを選ぶべきです。

広告表示やサポート体制

一部の無料ツールは広告収入で運営されているため、操作画面に広告が表示されることがあります。これが視覚的なノイズとなり集中力を削ぐだけでなく、誤って広告をクリックしてしまい、業務が中断されることもあります。

また、基本的に電話やメールでの個別サポート窓口は用意されていない場合も多く、突然メールが送受信できなくなっても、自力で解決策を調べるしかありません。ビジネスを止めないためには、充実したサポート体制がある有料版を選ぶ方が安心です。

ビジネス利用での制限

企業の信頼性という観点では、機能制限がビジネスの足かせになることがあります。

特に大きな問題は、「@会社名.co.jp」などの独自ドメインが利用できない点です。「@gmail.com」などのフリーメールアドレスは誰でも取得できるため、取引先によっては「セキュリティ意識が低い」「実態のない会社ではないか」と不信感を持つかもしれません。

また、保存容量の上限が低いことも多く、長く使っているとすぐに容量不足に陥ります。対外的な信用と長期的な運用を考えるなら、ビジネス専用の有料プランがおすすめです。

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自分に合ったメーラーを選んで業務を効率化しよう!

ビジネスにおいてメールは企業の信頼に関わる重要なツールです。だからこそ、メーラー選びでは自社の要件や解決したい課題にマッチしているかを慎重に見極めなければなりません

特にビジネスで利用するのであれば、社会的信用を示す独自ドメインの運用ができ、万全のセキュリティ対策が施された有料メーラーを選ぶのが確実でしょう。

さらに、カスタマーサポートや営業窓口など、チームでメール対応を行う場合には、個人のメーラーではなく、複数人での共有管理やステータス管理ができるソフトを選び、対応漏れを防ぎ業務品質を向上させることがオススメです。

「yaritori」メディア編集部
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