おすすめの有料Webメール6選比較！選び方や無料版との違いも解説

Webメールは、Webブラウザ上でメールの送受信ができるサービスです。専用のソフトをインストールしなくても導入可能であり、個人だけでなくビジネスでも広く利用されています。

しかし、有料Webメールにも、さまざまなサービスがあるため、どのように選べばよいか迷うことも多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、有料Webメールの選び方と、無料版との違いを解説します。あわせて、おすすめのサービス6選を目的別に比較紹介するので、ツール選びの参考にしてください。

Webメールとは

まずは、Webメールの基本的な仕組みと、メールソフトとの違いについて整理しておきましょう。

Webメールとはブラウザ上でメールを送受信するサービス

Webメールとは、Google ChromeやMicrosoft EdgeなどのWebブラウザを通じて、インターネット上でメールの送受信や管理を行うサービスです。

PCやスマートフォンに専用のソフトウェアをインストールする必要がない点が最大の特徴です。インターネット環境とブラウザさえあれば、IDとパスワードでログインするだけで、場所や端末を選ばずにメール機能を利用できます。

さらに、サーバーの設定や管理はサービス提供者が行うため、ユーザー側での複雑なセットアップは不要です。このように、導入のハードルが非常に低いのがメリットのひとつです。

「Webメール」と「メールソフト」の違い

Webメールと混同されやすいのが、PCにインストールして使用する「メールソフト」です。両者の主な違いは、データの保存場所と利用環境にあります。

・Webメール（ブラウザ型）

メールのデータはクラウド上に保存されます。そのため、オフィスのPCや移動中のスマホ、自宅のタブレットなど、どの端末からアクセスしても同じメールボックスを確認できます。（例：Gmail、Yahoo!メールなど）

・メールソフト（インストール型）

データは「PC等の端末内」に保存されます。一度受信すればオフラインでもメールを確認できますが、データがその端末にしかないため、別のPCで見るには設定やデータ移行が必要です。（例：Thunderbird、Outlookデスクトップ版）

テレワークなど場所を選ばない働き方が増えた現在では、マルチデバイスに対応したWebメールの利用が増えています。

有料のWebメールを使うメリット｜無料版との違い

ここでは、有料版Webメールのメリットと無料版との違いについて見ていきましょう。

独自ドメインメールアドレスを利用できる

有料版Webメールと無料版との違いのひとつが、「独自ドメイン」の利用です。独自ドメインは、アルファベットや数字など好みの文字列を組み合わせて取得できるオリジナルのドメインで、世界でひとつしか存在しません。

無料版では、メールアドレスの末尾が「@gmail.com」や「@yahoo.co.jp」などのサービス提供元のドメインになります。これらは誰でも匿名で取得できるため、取引先によっては「セキュリティ意識が低い」「実態のある会社なのか」と不信感を持たれるリスクがあります。

一方、有料Webメールでは「@company.co.jp」のように、自社名が入った独自ドメインを使用可能です。ドメインを見ただけで、企業名やサービス名が伝わるので、認知やブランドイメージ向上につながります。

セキュリティ機能とサポート体制が充実している

有料版は、高度なセキュリティ機能とサポート体制を備えています。

無料版でも基本的なスパム対策などのセキュリティ機能はあるものの、有料版ではさらに「ウイルス・マルウェア検知」「誤送信防止機能」「管理者による操作ログの監査」「アクセス元のIP制限」など、情報漏えいを防ぐための強固な機能が提供されます。

また、万が一システム障害やトラブルが発生した際、無料版では自力で解決するしかありませんが、有料版であれば電話やメールによるサポート窓口を利用可能です。稼働率を保証するSLA（サービス品質保証）が設定されている場合もあり、サービスを止めないための体制が整っています。

大容量ストレージと広告非表示が利用できる

メールボックスの保存容量は、数十GB〜無制限など、有料版の方が大きく設定されています。容量不足で重要なメールを受信できなかったり、過去のメールを削除して整理したりする手間がなくなり、スムーズな運用が可能です。

また、多くの無料Webメールが広告収入で運営されているため、操作画面に広告が表示されます。一方で、有料版ではこれらが非表示になるため、誤クリックのリスクがなくなり、業務に集中できる環境が整います。

【比較表】無料Webメールと有料Webメールの違い

これまでの違いをまとめると、以下のようになります。

ビジネスで利用するなら、信頼性と安全性が確保された有料Webメールを選ぶのが確実です。

有料Webメールの選び方

数ある有料Webメールの中から、自分に合ったものを選ぶためのポイントを5つ紹介します。

利用目的（個人利用かチーム共有か）で選ぶ

まず明確にすべきは、「誰が、どのような目的で使うのか」です。

もし、社員一人ひとりに個別のメールアドレスを付与し、個人の業務効率を高めたいなら、カレンダーやファイル共有機能が統合された「グループウェア型（Google Workspaceなど）」が適しています。

一方で、カスタマーサポートや営業窓口など、「support@」「sales@」といった代表アドレスを複数人で管理したいなら、対応状況の可視化や二重返信防止機能がある「メール共有型（yaritoriなど）」がおすすめです。

1アカウントあたりのコストと費用対効果は十分か

有料Webメールの多くは「1ユーザーあたり月額〇〇円」という従量課金制です。利用人数が増えればランニングコストも比例して大きくなるため、予算と機能のバランスを見極める必要があります。

単に「月額料金が安い」という理由だけで選ぶのは危険です。必要なセキュリティ機能がオプション扱いで追加費用がかかったり、容量が少なくてすぐにプランアップが必要になったりする場合があるからです。「その機能でどれだけの業務時間を削減できるか」という費用対効果の視点で判断しましょう。

既存システムや他ツールと連携できるか

社内で既に利用している他のビジネスツールとスムーズに連携できるかも重要です。Webメールはクラウドサービスである強みを活かし、APIなどで他システムと連携することで業務フローを自動化・効率化できます。

例えば、SFA/CRM（顧客管理システム）と連携してメール画面に顧客情報を表示させたり、チャットツール（SlackやChatwork）に受信通知を送ったりできれば、対応スピードは格段に上がります。自社で利用中のツールと相性が良いサービスを選びましょう。

マルチデバイス対応や操作性は問題ないか

毎日使うツールだからこそ、操作画面（UI）の見やすさや使い勝手は、社員の生産性に直結します。

特に、ITツールに不慣れな社員でも直感的に操作できるかは重要なポイントです。操作が複雑すぎると、社内への定着に時間がかかり、教育コストが発生してしまいます。

また、テレワークや外出先での業務が多い場合は、スマートフォンやタブレット専用のアプリが提供されているか、その使い心地は快適かどうかも必ず確認しておきましょう。

データ移行はしやすいか

現在別のメールソフトやサーバーを利用している場合、過去のメールデータをスムーズに移行できるかは切実な問題です。

乗り換えによって過去のメールが見られなくなると、業務に大きな支障をきたします。データ移行ツールが用意されているか、あるいはベンダー側で移行作業を代行してくれるサポートがあるかを確認しておくと安心です。

特に長年運用してデータ量が多い場合は、移行期間や手順についても事前にシミュレーションしておきましょう。

おすすめの有料Webメール6選比較

ここでは、おすすめの有料Webメールについて、厳選した6つのサービスを紹介します。おすすめの有料サービスの特徴と価格は以下の通りです。

※価格は税抜・年払い等の条件により異なる場合があります。最新情報は各公式サイトをご確認ください。

yaritori｜Onebox株式会社

yaritoriは、「support@」のような共有メールアドレス宛の問い合わせを、複数人で効率的に対応するために開発された国産のWebメールサービスです。

メールごとに「未対応・対応中・完了」のステータスを付与できる点が特徴です。チーム内の誰がどのメールを担当しているかが一目でわかるため、二重対応や対応漏れを未然に防ぎます。

1ユーザーあたり月額1,980円（税抜）からという低コストで導入でき、AIによるメール作成支援機能も標準搭載されているため費用対効果は高いと言えるでしょう。

SlackやChatworkなどの主要なツールとの連携もスムーズです。また、ブラウザベースで動作するためPCやスマートフォンなどデバイスを問わず利用でき、操作画面も直感的でマニュアル要らずです。

データ移行に関しても、現在利用中のメールサーバー情報を設定するだけで過去のメールも含めて即座に同期されるため、移行の手間がかからない点も大きな強みです。

Google Workspace (Gmail)｜Google

Google Workspaceに含まれるビジネス版Gmailは、世界中で利用されている信頼性の高いグループウェア型のWebメールです。

個人利用のような使いやすさはそのままに、独自ドメインの利用や、管理者によるセキュリティ設定が可能になっています。また、Googleカレンダーやドライブ、Meet（Web会議）とシームレスに連携しており、メール画面から予定作成やファイル共有がワンクリックで行えます。

料金は月額800円（税抜）からとリーズナブルで、大容量のクラウドストレージもセットになっているためコストパフォーマンスに優れています。

また、PCブラウザはもちろん、使い勝手の良いスマートフォンアプリが提供されており、移動中でも快適に業務を行えます。また、Microsoft Outlookなど他のメールソフトからのデータ移行ツールも充実しており、既存環境からの乗り換えもスムーズに実施可能です。

Microsoft 365 (Outlook)｜Microsoft

Microsoft 365に含まれるOutlookは、ビジネスメールのデファクトスタンダードとも言える存在です。

WordやExcel、TeamsといったOffice製品との強力な連携が特徴で、メールで受信したファイルをOneDriveで編集したり、Teams会議を直接設定したりできます。マイクロソフト製品を中心とした業務フローを構築している企業にはおすすめの選択肢です。

月額料金は数百円から数千円のプランがあり、Officeアプリの利用権有無によって選べるため、予算に応じた柔軟な契約が可能です。Windows PCとの相性は抜群ですが、MacやiPhone、Android向けのアプリも高機能で、マルチデバイス環境でも問題なく利用できます。

データ移行についても、PSTファイルのインポートやExchangeサーバーからの移行パスが整備されており、エンタープライズレベルの要件にも対応できる安心感があります。

Yahoo!メール（セキュリティーパック）｜LINEヤフー株式会社

Yahoo!メールは国内で馴染み深いサービスですが、有料の「セキュリティーパック」を利用することで、広告非表示やウイルスチェック機能の強化などの環境を整えることができます。

ただし、基本的には個人IDに紐づくサービスであるため、独自ドメインの運用や組織的な管理機能は限定的です。個人事業主やフリーランス、あるいは副業用のサブアドレスとして手軽に安全なメールを使いたい場合に適しています。

月額数百円という低コストで導入でき、既存のYahoo! JAPAN IDがあればすぐにアップグレードできる手軽さが魅力です。スマホアプリの完成度が高く、外出先でのメール確認や返信が非常にスムーズに行えます。

ただし、他社のグループウェアのような高度なシステム連携や、組織単位での大規模なデータ移行サポートは期待できないため、あくまで個人利用の延長線上にあるビジネス活用として検討するのが良いでしょう。

サイボウズ Office｜サイボウズ株式会社

サイボウズ Officeは、日本国内の中小企業での使いやすさを追求したグループウェアです。標準搭載されているWebメール機能を使えば、独自ドメインでのメール運用が可能になるだけでなく、スケジュール管理や施設予約、ワークフローといった他の業務アプリとシームレスに連携できます。

ITツールに不慣れな方でも迷わず使える直感的な画面設計が魅力です。機能面では、宛先間違いなどを防ぐ誤送信防止チェックや、アクセス権限の管理など、組織運営に必要なセキュリティ対策もしっかりカバーしています。

単なるメールソフトとしてだけでなく、社内の情報共有やコミュニケーションを円滑にする基盤として導入したい中小企業に最適なツールです。

Garoon｜サイボウズ株式会社

Garoonは、数千名から数万名規模の大規模組織でも安定して稼働する、エンタープライズ向けのグループウェアです。Webメール機能も独自ドメインに対応しており、組織構造に合わせた柔軟な運用が可能です。

特徴的なのは、複雑な組織階層に対応した詳細なアクセス権設定や、海外拠点ともスムーズに連携できる多言語対応機能です。ポータル画面での通知機能などを活用すれば、メールと他の業務情報を一元的に把握できます。

セキュリティ面でも、操作ログの保存やIPアドレスによる接続制限など、大企業に求められる管理機能を網羅しています。APIを使った基幹システムとの連携も可能で、全社的な業務プラットフォームとしてメール環境を統合したい企業におすすめです。

目的に合わせて最適な有料Webメールを選ぼう

この記事では、おすすめの有料Webメール6選や、無料版との違い、失敗しない選び方について解説しました。

本格的にメールを利用する場合、独自ドメインやセキュリティ機能は欠かせません。コストはかかりますが、有料Webメールを導入すれば、リスクを最小限に抑えつつ、安全でスムーズな業務環境を構築できるでしょう。

大切なのは、導入の目的を明確にすることです。個人の生産性を高めたい場合はグループウェア型を、チームでの対応漏れを防ぎたい場合は「yaritori」のような共有システムを選ぶなど、解決したい課題に合わせてツールを選定することが成功の鍵です。

ぜひ本記事を参考に、自社の運用体制に最適な有料Webメールを選び、ビジネスを加速させてください。