カスタマーサポートとは、顧客満足度を高めるために、顧客からの質問や要望に対応する業務のことです。顧客のニーズを把握したうえで、迅速かつ丁寧な対応を行うことが重要です。そのためのポイントなどをご紹介します。
カスタマーサポートとは
カスタマーサポートは、企業が提供するサービスや製品を購入した顧客に対して、問題解決やサポートを行う業務のことです。サービスに関する疑問の解消やトラブルなどに、電話・メール・チャットなどで対応し、顧客満足を図ることが主な役割です。
インターネットの普及やEC市場の拡大に伴い、顧客とのコミュニケーションが重要視されるようになってきました。カスタマーサポートは、顧客満足を図ることができるだけでなく、ブランドイメージ向上や顧客信頼・忠誠心の向上なども促進することも期待されています。
カスタマーサポートの主な業務内容
より詳しく業務を見ると、大きく分けて4つ挙げられます。
1.問い合わせ対応
カスタマーサポートの主業務です。企業の代表窓口として、お客さまからの質問や課題を受け付け、電話やEメール、チャットなど適切な方法でそれに対する回答や解決策を提供します。。そのためには、製品やサービスに関する知識を持っていることが求められます。
カスタマーサポートについて詳しく知りたい方は「カスタマーサポートですぐに使える!メール例文を状況別に紹介」をご覧ください。
2.顧客情報の管理
問い合わせ対応を通して取得した顧客情報を整理し、他の担当者と共有できる形で管理することも求められます。具体的には
・サービス、商品の利用日はいつか
・該当サービス、商品は何か
・問い合わせてきたのは誰か
・どんな内容で問い合わせしてきたのか
・一次対応したのは誰か
・対応状況の進捗状況
といった情報をチーム内で更新・確認できるようにしておきます。
こうすることで担当者の変更や引き継ぎがあった場合でも一貫性のある対応を提供できます。また、過去に問い合わせがあった顧客から新たに問い合わせがあった場合もスムーズに対応できます。
3.業務の属人化を防ぐための体制改善
立ち上げたばかりのカスタマーサポートは特に業務が属人的になりがちです。しかし、企業の顔として顧客と対話する立場であるカスタマーサポートは誰がどの顧客の問い合わせに対応しても、同一水準、同様の内容で回答できる状態が望ましく、担当者によって対応方法やスピードに差が出ないようにしたいものです。
そこで、業務を通してよく受け付ける問い合わせ内容とそれに対する回答を洗い出し、FAQコンテンツを作成したり新人スタッフ向けの業務マニュアルの形で明文化して残すといった体制改善を推進するのも業務の一つになります。
特にFAQコンテンツはスタッフ間での認識のすり合わせにも役立ちますが、問い合わせなくても顧客自身で悩みを解決できる可能性が高まり、問い合わせ対応の負担を減らせる効果も期待できます。
4.他部署と連携したサービス改善提言
顧客からの問い合わせは企業にとって耳の痛い指摘やクレームがどうしても多いです。しかし、そのような言及だからこそリアルな顧客ニーズを汲み取ったり、企業が見落としていたサービスの課題を見つけることができます。顧客とのやりとりを通じて得られたフィードバックや報告を商品開発部やマーケティング部のように関係が深い他部署に連携することも行います。顧客ニーズやトラブルなどを把握し、製品やサービスの改善やアップグレードに役立てます。
カスタマーサポートの役割
これまで紹介してきたカスタマーサポートの業務にはどのような意義があるのでしょうか?主な役割を3つにわけて紹介します。
1.顧客の課題を解決する
繰り返している通り、サービスに関する疑問の解消やトラブルなどに、電話・メール・チャットなどで対応し、顧客満足を図ることが主な役割です。
2.企業が見落としていた課題点を洗い出し、改善に生かす
顧客から寄せられる声には、実際にサービスや商品を利用しないと気づけない課題点のヒントがたくさん隠されています。もちろん、企業に対する言いがかりや悪意あるクレームも中にはありますが、企業側がしっかりと課題改善に向けて対策やアップデートを重ねるべきものについては積極的にそれらの声を関係部署へ届け、是正する必要があります。
3.顧客満足度の向上に寄与し、売上拡大を目指す
企業の顔となり顧客接点を担う重要な部署です。顧客の質問や課題に対して迅速かつ丁寧な対応を行うことで、顧客からの信頼を得ることができます。「何か困ったことがあってもこの企業は真摯に対応してくれる」という満足度の高い評判はブランドイメージの向上にもつながり、積極的に自社製品を選んでくれたり、リピーター顧客になってくれる可能性が高まります。結果、売上拡大を実現することもあります。
カスタマサポートで重視されるKPIについて詳しく知りたい方は「カスタマーサポート(CS)で設定すべき6つのKPI | 目標設定の具体例」をご覧ください。
カスタマーサポートとコールセンター・カスタマーサクセスの違いは?
似たような業務をやっているとイメージされるそれぞれの職種ではどのような業務を担当しているのか整理しましょう。
コールセンター
名称のとおり電話対応とそれに伴う事務処理を行うことに特化した部署です。一般的に、カスタマサポートは既存のお客さまからの問い合わせに対応することに対して、コールセンターは広く一般のお客さまも含む潜在顧客からの問い合わせにも対応します。
なお、近年ではメールやチャットなど、電話以外のチャネルへの対応を行うセンターも増えてきています。電話だけではなくさまざまなチャネルに対応する組織を「コンタクトセンター」などと区別することもありますが、それぞれの厳密な区別はなくなってきているといえるでしょう。
コールセンターについて詳しくは「【完全理解】コールセンターとカスタマーサポートの違いは?」をご一読ください。
カスタマーサクセス
カスタマーサポートとは顧客から問い合わせを受けてから稼働しますが、カスタマーサクセスはお客様が望む結果を達成できるようにあらかじめ能動的に支援する点がもっとも大きな違いです。
具体的には購入した商品やサービスに関するメルマガを定期的に送付して関係性を構築したり、購入後のトレーニングやサポートの提供、そして改善のためのフィードバックの収集が含まれます。これらの業務は全て、「お客様の成功体験」を提供するために能動的に行われます。
カスタマーサクセスの詳細は「カスタマーサクセスとは?重要視される理由や役割をわかりやすく解説!」もあわせてご覧ください。
カスタマーサポートはきつい?やりがい・向いている人のタイプ
顧客にとってはカスタマーサポートの必要がないことが理想ですが、サービスや製品を利用していて疑問や問題が発生したときに問い合わせが発生します。そのため、クレーム対応なども一定発生するため、プレッシャーがかかるなかで迅速かつ丁寧な対応を行う必要があります。
カスタマーサポートを行う担当者は、顧客とのコミュニケーション能力が必要です。顧客からの質問や要望に対して、顧客のニーズを把握し、適切な解決策を提案するためには、聞き取り力や表現力が必要です。
また、カスタマーサポートを行うには、ストレス管理能力が必要です。顧客からの質問や要望に対して、迅速かつ丁寧な対応を行うためには、ストレスを抑える力が必要です。また、顧客からの苛立ちや怒りを受け止め、冷静に対応する力も必要です。
カスタマーサポートに向いている人の特徴について詳しく知りたい方は「カスタマーサポートに向いている人の特徴6つ|顧客満足度を高めるポイントも紹介」をご覧ください。
カスタマーサポートで重視すべき指標・KPI
カスタマーサポートを行うときには、「一次応答までの平均時間」「問題解決までのやりとり率」「回答の処理にかかった時間」「エスカレーションの回数」「サービス継続率」などを指標にするのが有効です。
こうしたKPIを意識しながらカスタマーサポートを行うことで、顧客満足度の向上、ブランドイメージの向上などを果たし、長期的なビジネスの成功を目指すことができます。
詳しくは「カスタマーサポート(CS)で設定すべき6つのKPI | 目標設定の具体例」にて解説しております。
カスタマーサポートを成功させる3つのポイント
カスタマーサポートは、企業が顧客との関係を維持し、顧客満足度を高めるために不可欠なものです。カスタマーサポートを成功させる3つのポイントをご紹介します。
①複数人・関連部署でサポート対応ができる仕組みを作る
多くの問い合わせが発生すると、担当者一人でサポート対応をするのは限界があります。また、問い合わせ対応が一つの部署で完結するのも難しいです。
そのため、複数人で効率的なサポート対応ができるツールの導入や、社内マニュアル・ワークフローの整備をすることが重要です。こうした仕組みをつくることで、素早く正確なサポート対応を実現できます。
②顧客の声を管理・反映する仕組みを作る
顧客サービスを改善することが重要です。顧客サービスを改善するためには、顧客のニーズを把握し、顧客の期待を満たすための新しいサービスを提供することが重要です。また、顧客サービスを改善するためには、顧客からのフィードバックを収集し、顧客の要望に応えることが重要です。
③社員・対応スタッフの教育
最後に、顧客サポートを改善するために、顧客サポートスタッフを育成することが重要です。顧客サポートスタッフを育成するためには、顧客サポートスタッフに対して正しい情報を提供し、顧客の質問に正確かつ迅速に答える能力を育成することが重要です。また、顧客サポートスタッフに対して、顧客サービスを改善するための新しいアイデアを提供し、顧客の要望に応える能力を育成することも重要です。
以上の3つのポイントを押さえることで、カスタマーサポートを成功させることができます。
関連記事「カスタマーサポートを効率化するには? | オススメの方法とツールをご紹介!」
カスタマーサポート業務を効率化するツールの種類
カスタマーサポートを効率化するためにツールの導入は不可欠です。ここでは、カスタマサポートでよく使用されるツールを紹介します。
チャットボット
顧客からの問い合わせに対して、チャットで自動回答することができるツールです。 24 時間365日利用可能なため、サポートチームの手間を大幅に削減することができます。 AI により、顧客の質問を解析して最適な回答を提供するツールも登場しています。
問い合わせ管理システム
問い合わせ管理システムは、お客さまからの問い合わせを1つの画面で管理・共有し、複数人で効率的に対応できるシステムです。
問い合わせの対応状況(担当者や未対応・対応中などのステータス)をチーム内で可視化することで、対応漏れや重複対応といったメール対応のミスを防止し、スムーズな問い合わせ対応をすることができます。
お客さま情報や過去の対応履歴を照会することや、担当者の対応時間・問い合わせ内容の分析をすることも可能なので、問い合わせ業務の可視化や改善に繋げることができます。
問い合わせ管理システムについて詳しく知りたい方は「問い合わせ管理システムとは?主要機能やExcel管理の問題点を解説」もご参考ください。
FAQシステム(よくある質問)
顧客が自分で問題を解決するためのよくある質問を一覧で作成・表示できるツールです。サポートチームが頻繁に対応する問題に関する回答をまとめておくことで、顧客が自分で問題を解決する手助けをすることができます。問い合わせの数を減らすことに役立ちます。
FAQシステムについて詳しく知りたい方は「【最新版】FAQシステム比較5選!種類やチャットボットとの違いなど」をご参考ください
問い合わせフォーム作成ツール
サービスサイトに掲載するWebフォームを作成できるツールです。顧客はフォームを通じて質問を送信し、顧客サポートチームがそれに対応することができます。顧客情報や質問カテゴリーなどの入力情報をカスタマイズでき、非同期のコミュニケーションができるのでサポート業務を効率化することができます。
問い合わせフォーム作成ツールについて詳しく知りたい方は「【最新版】問い合わせフォーム作成ツール比較10選!無料で使えるオススメも」をご参考ください。
カスタマーサポートで使えるツールについて詳しく知りたい方は「【最新版】カスタマーサポートツール12選比較!種類や選び方をご紹介」もご参考ください。
問い合わせ管理システム「yaritori」の紹介
カスタマーサポートの業務効率化には「問い合わせ管理システム」の導入から始めるのがおすすめです。日常的に発生するサポート対応のステータスを管理し、複数人で効率的な対応ができるだけでなく、サービスによってはフォームやチャットボットなどもオプションで利用することができます。
yaritoriは1ユーザー1,980円から利用できる問い合わせ管理システムです。①使いやすさ②特徴的な機能 ③導入のしやすさで支持されており、利用社数は150社を突破しています。
サービス概要・導入事例などがわかる資料をお送りしますのでお気軽に資料請求をしてください。
まとめ|カスタマーサポートで顧客満足度を向上
カスタマーサポートとは、顧客満足度を高めるために、顧客からの質問や要望に対応する業務のことです。顧客のニーズを把握したうえで、迅速かつ丁寧な対応を行うことが重要です。そのためのポイントなどをご紹介します。
問い合わせ管理システムについてさらに詳しく知りたい方は「【最新版】問い合わせ管理システム12選を比較!選び方や導入メリットも解説」もご覧ください。